第30話

嵐の後
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2026/08/24 06:26 更新




少しして、ジョンウォン達が工場から出てくる。








その姿を見て、ジナは思わず息を呑んだ。








みんな、かなり傷ついていた。




制服は乱れ、頬や手には擦り傷や打撲の痕がある。












みんなは、ジナがいることに気づくと驚いて目を丸くした。








「ジナ…!?」




ジェイが慌てて駆け寄ってくる。




「何でここに…?」








ジナは、みんなが心配で、位置情報を頼りに来てしまったことを説明する。








「怪我は無い?」




ジェイが心配そうに聞く。








「うん、大丈夫。」




「そっか……。良かった……。」




そう言って安堵の溜め息をもらした。








「みんな…酷い怪我してる……。」








ジナはみんなを見渡して、心配そうに眉をしかめる。








「心配すんなって。
歩けてるんだし、大丈夫大丈夫。」




ニキが言う。








しかし、大丈夫と言われても不安が無くなる訳ではなかった。












「ジナ、ソヌの様子はどう?」




そう聞くジョンウォンの声には、疲れが滲んでいる。








「熱出しちゃったみたいで…。」








ジナは、ソヌの体調と、さっき店で買ってきた物のことを伝えた。








「そっか。」




ジョンウォンが頷く。




「ありがとう、ジナ。」




「う、うん。」








「ソンフニヒョンの家が一番近いから、みんなで行って休みましょうか。」




ジョンウォンの言葉に、みんなは賛成して頷いた。








ジョンウォンは、ソンフンの方を見る。








「ソンフニヒョン、ソヌのことおんぶ出来ますか?」




「うん、分かった。」








ソンフンがソヌをおんぶすると、一同は歩き始めた。












しばらく歩いたところで、ソンフンの背中からソヌの弱々しい声がする。








「ヒョン……。」




「ん?」




「もうちょっと、そっと歩いて下さい……。」




「人をおんぶしてるのに、それは無理だよ。笑」








二人のやり取りは、全員の耳に届いていた。








「でも……何か酔ってきた……。」




「何に酔うんだよ。」




「乗り物酔い……みたいな……。」




「僕は乗り物じゃないんだけど。」








「うっ……。」




ソヌが苦しそうな声を出す。








「おい!吐くなよ?」




ソンフンは焦って言った。




「……吐くかもぉ……。」




「やめてっ!?お願いだから今はやめて!」








ソンフンの焦った様子がおかしくて、みんなは思わず笑った。








「っ……ゴホゴホッ。」




ソヌは咳き込む。








「……大丈夫。喉に何かつかえただけ……。」




「……あ〜もう。」




ソンフンは呆れたように息を吐いた。








「冗談言う元気があるなら、自分で歩いてくれる?」




「歩けない……。」




「……しょうがないなぁ〜。我がままな子だね。」








そう言いながらも、ソンフンはどこか楽しそうだった。








そんなソンフンを見て、ジェイクはクスクスと小さく笑う。








ジナもまた、心配な気持ちの中にも、微笑ましさを感じながら二人を見ていた。








ソヌくんって、ソンフンくんに甘えることあるんだ。




ソンフンくんは、私には話し掛けて来ないけど、
みんなとはいつも楽しそうに話すんだよね。








ジナの心には、段々と穏やかな気持ちが取り戻っていた。









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