第22話

19話
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2024/12/30 00:03 更新
どれくらい時間が経っただろう。
わたしは気づいたら、太宰さんと中原さんに挟まれながら話をしていた。
太宰治
大事な人を急に亡くす悲しみは、、、何にも変えられないくらい耐え難いよね
太宰さんのその言葉を、わたしは聞き逃さなかった。
海月ちゃんに、聞いたことがあった。
太宰さんは昔、とても大切な友人を1人亡くしたことがあると。
その上、海月ちゃんまでも太宰さんを置いて逝ってしまった。
その悲しみを想像しだけでも、想像を絶する苦悩があったんだろう。
中原中也
、、、海香は、2人も一気に失っちまったから、苦しいんじゃねえのか
如月海香
、、、
わたしは、静かに頷く。
如月海香
、、、でも、太宰さんも中原さんも、、、辛いことたくさん乗り越えて、ここまで来てるわけだし、、、辛いのは、わたしだけじゃない、、、です
うつむきながら、今思っていることを伝えた。
太宰治
でも、辛いときは辛いって、言っていいと思うよ
太宰さんからの優しい言葉に、わたしは少し泣きそうになる。
如月海香
太宰さん、、、
中原中也
俺等だって、いろんな人の支えがあって今こうして生きてるんだ。誰かに頼ることを、忘れちゃいけねえぞ
如月海香
中原さんも、、、
この人たち、こんなに優しい人だったんだ、、、
海月ちゃんや海ちゃんから教わったことだと、ちょっと関わりづらいって思ってたのに、そんなことなかったみたいだ。
こんなに優しいから、海月ちゃんと海ちゃんが好きになったんだ。
でも、やっぱりわたしは、、、
太宰治
谷崎くんとナオミちゃんのことを忘れろとは、口が裂けても言えないけどね
如月海香
、、、わたし、忘れられるはずがありません。だって、潤くんとナオミちゃんは、わたしのことを初めて見つけてくれた人だから
太宰治
そういう人って、大切だよね
如月海香
はい、、、
わたしたちの中に、少し沈黙が訪れた。
でも、少しも気まずくない。
それは、みんな大切な人を思い浮かべているからだろう。

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