第4話

私の帰る場所
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2026/02/01 07:01 更新
公演期間に入ってから、私の毎日は一気に忙しくなった。
朝早く出て、帰るのはいつも夜遅く。
クタクタで玄関の扉を開けると、
部屋には温かい匂いが残っている。
テーブルの上には用意されたご飯。
そしてソファには、毛布をかけた凪様が座ったまま眠っていた。
(なまえ)
あなた
(また待っててくれたんだ……。)
胸がキュッとなる。
最近忙しさに追われて、キスすらしばらくしていなかった
ことを思い出す。
私は音を立てないようにそっと近づいた。
起こさないように慎重に顔を近づけて、
眠っている彼女の唇に軽くキスを落とす。
それだけで胸がいっぱいになって思わず、
(なまえ)
あなた
ふふふ。
と小さく笑ってしまった。
その瞬間。
彩凪翔
彩凪翔
可愛いなぁ。キスしたかったん?
彼女の声がして、私はビクッと跳ねる。
(なまえ)
あなた
!?起きてたんですか!?
彼女はゆっくり目を開けて、眠たそうに笑った。
彩凪翔
彩凪翔
起きてたけど、
まだ眠くて目が開かなかったんよ。
そしたらあなたの下の名前がキスした。
凄い目覚めたわ。
私はムッとして、頬をプクッと膨らませる。
(なまえ)
あなた
もう……。
その反応が可愛くて、彩凪は完全に目が覚めた。
あなたの下の名前の手首を優しく引いて、
何度も何度もキスを落とす。
額、頬、唇に。
(なまえ)
あなた
ちょ、まっ……!
私は抵抗しようとするけど、力が入らない。
気づけば耳まで真っ赤になっていた。
それを見た彼女は、心底楽しそうに笑う。
彩凪翔
彩凪翔
真っ赤やん。可愛いわぁ。
私は顔を隠そうとするが、彼女は離してくれない。
ギュッと抱きしめて囁く。
彩凪翔
彩凪翔
忙しいのは分かっとる。
でもな、こうして帰ってきてくれるだけで
嬉しいんよ。
私はそっと腕を回し、彼女の首元に顔を埋めた。
舞台の外でも、忙しい日々でも、ここが帰る場所。
そのことを確かめるように、2人はしばらく離れなかった。

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