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第4話

2日目 横浜/早朝/曇
94
2024/01/27 03:22
太宰
(……自殺願望と“思われ”始めたのは、あれがきっかけだった)
太宰
(懐かしいな…ポートマフィアに入る前だし)
太宰(過去)
はぁ…
太宰(過去)
(今日もご飯、残ってなかった)
太宰
そう…僕は元々、親が死んで、引き取り手の
居ない孤児だった
太宰
ずっと、貧民街で頭脳を生かした盗みや殺しをして生きていた
太宰
でもあの日……
モブ
おい、お前いいモン持ってんじゃねぇか
モブ
其れ寄越せよ!
太宰
彼奴が云った、いいもの
太宰
それは、僕の親が唯一遺した、
白い花のペンダント
太宰
当時の僕は、親が遺してくれた…親がいたと
証明できる其れを、大切に持っていた
太宰(過去)
…いやだ
太宰(過去)
これは、ぼくの大切なものなんだ
モブ
はっw大切ぅ〜?
モブ
親にでももらったのかぁ?w
太宰(過去)
うん…だから、これは駄目
モブ
お前さぁ、ペンダントの花が何か
知ってんのか?w
太宰(過去)
……?
モブ
それ、スノードロップだよww
太宰(過去)
すのー…どろっぷ…?
モブ
スノードロップの花言葉はなぁ、
モブ
___“貴方の死を望みます”だよ!!www
太宰(過去)
ぇ……
モブ
はっはっは!!お前親にも死んでほしいと思われてんじゃん!!バッカみてぇ!!www
太宰(過去)
……ッうわぁぁぁぁぁッッ!!!
太宰(過去)
ッひぅ…、ぅぅ〜………っ(泣)
太宰
当時、まだ幼かった僕には、
その事実が衝撃的すぎた
太宰
そして僕は、町外れで死のうとした
太宰(過去)
……ぼくなんて、居ないほうがいいんだ
太宰(過去)
さよなら
太宰(過去)
チャポン
太宰
………その時に出逢ったのが、森さんだった
何をしてるんだい!?
太宰(過去)
ゲホッゲホッ……
もう少しで死ぬところだったのだよ
間違えて足を滑らせたのかい?
太宰(過去)
…………………フイッ
……もしかして
“死のうとしてた”?
太宰
ビクッ
…何故死のうとしたんだい?
自殺は駄目だよ
太宰(過去)
……ッッ
太宰
僕は死のうとしたことを隠そうとした
太宰
親からも見放されているから、
生きることも死ぬことも許されないと
太宰
幼いながらに察してしまったから
太宰
だから、僕は____
太宰(過去)
…、じゃあ逆に聞くけど
太宰
生きるなんて行為に何か価値があると、
本気で思っているの
太宰
……そこからは早かった
太宰
流れでポートマフィアに入って
太宰
あんな回答をしたから、自殺願望という
レッテルが貼られて
太宰
理由も、意味も、動機も、何も聞かれずに
太宰
ただただ、周りと異なるから
太宰
そういうふわっとした理由だけで
太宰
嫌厭され、拒まれ、疎まれ、死を望まれ。
太宰
地獄のような毎日だった
太宰
でも其の中で
太宰
中也と出会って、織田作と出会って、
太宰
生きることに意味を感じ始めていた
太宰
でも、1度云ってしまった言葉は
重くのしかかり、ずっと僕を縛り続けている
太宰
今はその呪縛自殺願望のレッテルを壊す為に
太宰
自分から、それを証明しに行っているその呪縛を消す為に自殺をしている
太宰
そう………僕だって、僕だって………ッ

































太宰
死にたかった訳じゃないんだ____ッッ

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