(あなた視点)
帰宅して、部屋の電気をつける。
小さく息を吐いて、コートを脱いだ。
静か。
やっと、
今日が終わった感じがする。
バッグを置いて、ふと手首を見る。
ブレスレット。
さっきまで、
仕事中もずっとつけていた。
派手じゃないのに、不思議と目に入る。
指先で、そっと触れる。
改めて見ると、本当に私好みだった。
ホークスさん。
私が、
こういう控えめなものを好きだって。
外す。
机の上に、そっと置く。
ライトに照らされて、小さく光る。
それが、少し意外だった。
プレゼントって、もっと、
気持ちがどしんと来るものだと思っていた。
でも、これは。
そばにある、感じ。
ふと、
昼間のことを思い出す。
そう言ったときの、ホークスさんの顔。
照れたような、誤魔化すような。
胸が、じんわり温かくなる。
ベッドに座って、ブレスレットを見つめる。
誰かと話すとき。
書類を渡すとき。
視界の端に、必ず入る。
自然と、ホークスさんのことを。
スマホを手に取る。
連絡、するかどうか。
少し、迷って。
でも。
送信。
画面を伏せる。
すぐ返事は来ない。
それでも。
ブレスレットを、もう一度つける。
カチリ。
手首に馴染む感覚。
私にちょうど良いサイズのブレスレット。
ほんと、どこで私の腕の太さなんて知ったの?
知らないうちに、小さく笑っていた。
言葉にしなくても、ちゃんと、伝わってほしい。
この気持ちも。
この距離も。
ゆっくりでいいから。
クリスマスの夜は、静かに更けていった。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!