第56話

ラストダウン:鷹の目
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2026/02/17 14:37 更新
翌日。
あなたは、小さな紙袋を二つ抱えて出勤してきた。
あなた
……迅鷹さん
声をかけると、迅が振り返る。
あなた
これ、いつものお礼です
風見 迅鷹(かざみ じんたか)
え?俺にですか!?
驚いた顔。
あなた
はい。お世話になってますから
迅鷹は苦笑いしながら受け取った。
風見 迅鷹(かざみ じんたか)
律儀ですね
風見 迅鷹(かざみ じんたか)
ありがとうございます。嬉しいです
あなた
そうでしょうか?
そのやりとりを、
少し離れたところからホークスは見ていた。
ホークス
ホークス
(......ちゃんと、俺の分もあるよね)
内心で、確認する。
あなた
ホークスさん!
ホークス
ホークス
(はい、待ってました!)
呼ばれて、顔を上げる。
あなた
はい
あなた
これ
差し出されたのは、小さくて上品な箱。
あなた
昨日の予定です
ーー予定の正体。

ホークスは、
一瞬だけ目を見開いてから、受け取った。
ホークス
ホークス
……ありがとう
あなた
いえ//
あなたは、少し照れたように視線を逸らす。
ホークス
ホークス
それで……
ホークスは、少し間を置いてから。
ホークス
ホークス
俺からも
ポケットから、細長い箱を取り出す。
あなた
え?
ホークス
ホークス
昨日、渡せなかったから
あなたは、戸惑いながらも箱を受け取る。
あなた
ありがとうございます
ホークス
ホークス
開けて
あなた
え?
ホークス
ホークス
今、開けて欲しい
そっと、開ける。
あなた
……わ
中にあったのは、繊細なブレスレット。
派手じゃない。
でも、上品で、
あなたの雰囲気によく合っている。
あなた
……すごく、綺麗です
ホークス
ホークス
……そ//
あなたが、素直に笑う。
あなた
さすが
あなた
ホークスさん、センスいいですね
ホークス
ホークス
……そう?
あなた
はい。私、こういうの好きです
その言葉に、胸の奥が、じんわり熱くなる。
ホークス
ホークス
(はい、優勝!はい優勝!)
 
ホークス
ホークス
(でもさ)
ホークス
ホークス
(当たり前でしょ)
ホークスは、
表情を崩さないまま、内心で思う。
ホークス
ホークス
(どげん見てたと思っとー?)
ホークス
ホークス
(ピアスでもネックレスでもない理由)
目立たないからじゃない。
配慮でもない。
ホークス
ホークス
(指)
あなたが、
誰かと書類を渡すとき。

誰かと、
ふと指が触れそうになったとき。
ホークス
ホークス
(そこに、ある)
俺の存在。
ホークス
ホークス
(俺のもの、っていうマーキング)
独占欲。

自覚は、とっくにある。
あなた
……ありがとうございます
あなたが、もう一度言った。
ホークス
ホークス
どういたしまして
軽く返しながら。
ホークス
ホークス
(大事にしてくださいね)
言わないけど。
ホークス
ホークス
(俺は、もう十分、大事にしてるから)

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