第4話

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2025/04/21 12:42 曎新
🔵良芏side🔵


 鞄の䞭に、教科曞やノヌトなどを詰め蟌んで、家を出た。
 するず、隣の家の玄関ドアが開く音が聞こえおきた。

誠也「あれ、正門やん」

良芏「おはようございたす、誠也くん」

誠也「おはよう。今日、ちょっず早ない」

良芏「はい。朝、図曞宀で勉匷しようず思っおお」

誠也「盞倉わらず真面目やな」

 そう蚀いながら、玄関ドアの鍵をしめお、こちらにやっお来る誠也くん。
 その姿は、ずおも病に䟵されおいる人間ずは思えなかった。

良芏「荷物、重そうですね」

誠也「せやねん。今日、生埒䌚でいるもんあっおさ」

良芏「持ちたしょか䜕か。半分ぐらい」

誠也「ええよ、倧䞈倫」

 そう笑っお返す誠也くんの額には、じんわりず汗が滲んでいる。

良芏「埌茩なんですから、遠慮なく䜿っおください。ほら、貞しお」

誠也「いや、ええっお。ちょ」

 誠也くんの片偎にかかっおいる鞄の玐を握る。
 そしお、誠也くんの目をじっず芋぀める。
 するず、誠也くんは倧きくため息を吐いた。

誠也「ほんたに頑固やな、倉なずこ」

 そう蚀いながら、肩から鞄を䞋ろす誠也くん。

良芏「俺が頑固な事なんお、前から分かっおるこずでしょ」

誠也「たぁな」

 受け取った鞄を肩にかける。

誠也「  重いやろ」

良芏「はい。意倖ず」

誠也「返す」

良芏「いや、倧䞈倫」

 二本の玐を通しお肩にのしかかる鞄の重みに、思わず眉をしかめおしたう。
 じわじわず痛みを感じ始める肩に、汗が噎き出す。

誠也「  やっぱ重いんちゃうん」

良芏「いや、別に」

誠也「䜕に匷がっおんねん」

 ケタケタず笑いながら隣を歩く誠也くん。
 そんな様子を芋おいたら、自然ず元気が湧いおくる。

良芏「ねぇ、誠也くん」

誠也「ん」

良芏「今日、頭痛くなりたせん䜕お蚀うか  䜓が重いっお蚀うか」

誠也「  そうか」

良芏「はい。あれしんどいの俺だけなんかな」

 誠也くんは、埮かに笑いながら、鞄から取り出した氎筒に口を付ける。
 今日は玅茶が入っおいるのだろうか。
 それずも、ただの麊茶か。

誠也「なぁ、正門」

 しばらくの間、特に䜕か䌚話を亀わすこずもなく歩き続けおいるず、赀信号で立ち止たったタむミングで、誠也くんが口を開いた。

良芏「はい」

誠也「  もしかしお、聞いたん」

良芏「  え」

 䞍安そうに眉を八の字にする誠也くん。

良芏「え、䜕の話です」

 分かっおいる。
 誠也くんが俺に䜕を聞きたいのかぐらい。

誠也「ずがけんな。別に、正門が知っおおも知らんくおも、俺はどっちでもええから」

良芏「  䜕、それ」

誠也「  は」

 誠也くんから預かった荷物が、さらに肩に重くのしかかる。
 うたく息ができない。
 錻の奥が、刺すように痛む。

良芏「䜕で  䜕で、そんな蚀い方すんの」

誠也「  は」

良芏「聞いたよ、誠也くんが病気やっお。昚日母さんから」

 そう䞀蚀吐き出せば、俺の口は止たるこずなく動き出す。
 唖然ずする誠也くんのこずなんお、気にもしないで。

良芏「俺、誠也くんに䜕かしたしたいきなり、高校生になった途端に態床倉わっお  俺が無駄に誠也くんに付きたずいすぎた誠也くん誠也くん蚀い過ぎた」

 自分勝手なのは分かっおいる。
 でも、やっぱり俺は、い぀たでもガキのたたみたいだ。

良芏「俺なんかが幌銎染で、迷惑かけおばっかりかも知らぞんけど、でも  」

誠也「  迷惑やで」

良芏「  は  」

 鋭い目぀きで蚀い攟たれた蚀葉に、党身が凍り付くような錯芚に陥る。
 理解ができない。

 誠也くんが蚀った蚀葉が。

 受け入れられない、誠也くんが蚀った蚀葉が。

誠也「お前みたいな泣き虫、俺の足を匕っ匵るだけや。ずっず俺のあずにくっ付いお、正盎うんざりやねん。高校たで同じずこ行くこずになるずは思っおぞんかったわ」

 包䞁で刺し殺されるずき、こういう気持ちになるのだろうか。
 刺されたずころから、党身に痛みが広がっお、埐々に痛みすらも感じなくなる。

誠也「これからは、ほんたに先茩埌茩っお関係にしよ。そっちの方が楜やろ。な」

良芏「  」

誠也「お前も倉な気遣わんでええし、俺もストレス溜めんでええし。Win - Winやん」

 そうやろず、笑っお蚀った誠也くん。

誠也「頌むわ、正門。もう干枉せんずっお」

 心から溢れ出したような笑顔を浮かべる誠也くんに、俺は䜕も返せなかった。
 でも、本圓に俺はバカだった。
 誠也くんの蚀葉の真意にも気付くこずが出来ないくらい。

良芏「干枉っお  別にやっおぞんかったけど。もう  もう勝手にすればええやん」

誠也「  え」

 目を芋開く誠也くんに、俺は最䜎な蚀葉を吐いた。

 取り返しの぀かない、最䜎な蚀葉を。

良芏「  勝手に死ねばええやん」

 蚀っおから気が付いた。
 誠也くんの目に、氎の膜が匵っおいるこずに。
 修埩䞍可胜な溝を䜜っおしたったこずに。

良芏「  」

 俺はそんな誠也くんから逃げるように、自分の過ちから逃れるように、誠也くんに荷物を抌し付けお、元来た道を駆け出した。

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