口からは母音を零し
どうするべきかと視線を右往左往させる
… というか , この人見た目の細さの割に
なんで俺を軽々と持ち上げられるんだ
顔を上げれば , 目が合い
気まずさから咄嗟に視線を逸らす
プリンスはそう言うと , 爽やかに微笑む
プリンスと呼ばれているだけあって
笑うだけでも凄いイケメンだな …
どうして俺はずっと
抱えられているのだろうか … ??
プリンスは未だ降ろそうとする気配が無く
おずおずと申し出る 。
転んだ時に落としたカバンも
さり気なく拾って渡してくれるプリンス
これがモテる原因なんだろうなぁ …
暫く密着していたからか ,
周りの女子からの殺意たっぷりの
視線に寒気を感じ
早々に場を後にする 。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
教室に誰もいないことを確認すると
そう言葉を呟く 。
抱えられていたからか
自分の身体からプリンスの匂いがし
スンスンと自分の服を嗅ぐ
…… 今の俺 傍からみたら
めちゃくちゃ不審者じゃね ??
いや , 辞めよう
何か良くないことをしている気分───
驚き絶叫しながら後ろを振り向くと
そこには , 堪えんばかりの笑みを浮かべた
水無瀬 葵 が立っていた
水無瀬 葵 …… 通称 ウパパロン 。
小悪魔的な性格に , 整った顔立ち
イケメン集団の一人として
モテているのは言うまでもない
そして , このイケメンは 俺の幼馴染でもある
未だドクドクと脈打つ胸を抑えながら
葵を軽く睨みつける 。
イケメン集団に居ることが多いが
こうして 俺にちょっかいをかけてくる
ホントに不思議なやつだ
そうして軽口を叩いていると
やがてHRが始まる
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。