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第7話

 #5
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2026/06/21 08:00 更新


  コナンが帰った後。
 

  ポアロには再び穏やかな時間が流れていた。

 

  食器を片付けながら、
  安室はふと窓の外へ視線を向ける。
 

  ガラス越しに見える本屋の店内では、
  あなたの偽名の下の名前(カタカナ推奨)が相変わらず本を読んでいた。

 安室透 .
 安室透 .
 …… 


  コナンの言葉を思い出す。

 

  ───人と距離を取るのが上手い。

 

  確かにそうかもしれない。

 
  組織でもそうだった。

 
  誰かと必要以上に親しくなることはない。
 

  任務以外で連絡を取ることもほとんどない。
 

  ベルモットだけは例外のようだが。

 

  聞いた話によるとロゼは、 
  幼い頃から組織で育った人間らしい。

 
  だからこそ。

 
  安室には時々分からなくなる。

 
  彼女は本当に組織を信じているのか。
 

  それとも───

 

  考えかけたところで。

 
  スマートフォンが震えた。

 

  視線を落とすと、 
  送信者は見慣れた名前だった。

 

  ジン。

 

  短く息を吐く。


  画面を開くと、
  送られてきたのは次の任務の集合場所と時間。

 

  それだけだった。

 安室透 .
 安室透 .
 相変わらず淡白ですね 


  小さく呟く。

 
  だが。

 
  続いて届いたメッセージを見て、
  安室の眉がわずかに動いた。



  『ロゼと組め』

 安室透 .
 安室透 .
 …… 


  数秒。
 

  無言。

 
  そして小さく笑う。

 安室透 .
 安室透 .
 …なるほど 


  ロゼとは最近何度か
  共同任務を組まされている。

 
  理由は分からない。

 
  実力を試されているのか。
 

  それとも別の意図があるのか。

 

  どちらにせよ、断る理由はない。
 

  安室はスマートフォンをしまう。

 

  そして再び窓の外を見た。

 

  道路の向こう。

 

  本を読む銀髪の女性。

 
  何を考えているのか分からない顔。

 
  組織でも。
 

  本屋でも。
 

  同じように見えるその横顔に、
  安室は少しだけ目を細めた。
 
 安室透 .
 安室透 .
 ……今回はもう少し
 話せるといいんですが 


  そんな独り言には、もちろん
  返事が返ってくることはなかった。


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