第9話

修復と崩壊
280
2025/03/15 07:17 更新
あなた
フラムー!今日は一緒に夕飯食べれる?
フラム・セスラティ
練習。
フラム・セスラティ
アレムと食べればいいでしょ。
わざわざ忙しい私を誘わなくても。
あなた
そうだよね。ごめんね、引き止めて。
頑張ってね!応援してる!
フラム・セスラティ
頑張ってる!!
フラム・セスラティ
応援なんて要らない!
応援されて勝てるわけじゃないでしょ!
フラム・セスラティ
……じゃあね。
あなた
ごめん...
アレム・ピエール
どうしたの?凄い声が聞こえたけど...
あれ、フラムなの...?
あなた
うん。初の試合で負けちゃっただろ?
それで少し心が不安定なんだよ。多分。
アレム・ピエール
だとしてもあの言い方は...
あなた
仕方ないだろ?さあ、大広間に行こう。
アレム・ピエール
アンタがいいなら良いのだけれど...
あれから5ヶ月。

アレムとは常に一緒にいるくらい仲良くなったが、
フラムとの関係は修復できていない。
なんなら前よりも酷くなっている。


前まではフラムがいないと不安で寂しくて怖かった。
でもアレムと友人になってからアレムがフラムの代わりのようになり、段々と不安や恐怖は克服してきていた。アレムにはとても感謝している。


いつまでもフラムに頼っている訳にはいかないと、あえて少し離れることにしたのだが、離れすぎてしまった。


意外にも彼女の心はデリケートで、僕は知らず知らずの間に傷つけてしまっていたのだろう。
謝りたいが、フラムは謝る時間もくれない。







もう、修復不可能なのかもしれない...
アレム・ピエール
あなたの下の名前?
あなた
ん?
アレム・ピエール
余計なお世話かもしれないけど、フラムのこと先生に相談してみたら?
アレム・ピエール
例えば...スネイプ先生とか。
アレムは少し...馬鹿なのか、ありえないことを真剣な顔で提案してくる。
あなた
ッ!ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッ
あなた
む、無理だよ!
セブルスさん多分友達とかいないし、
何より迷惑をかけたくない!
アレム・ピエール
あ……あなたの下の名前...
セブルス・スネイプ
随分と失礼なことを言うな。
背後から聞こえた重低音にハッとする。
あなた
セブルスさん!?
あなた
いつからいたんですか!
セブルス・スネイプ
あなたの下の名前が咳き込んだあたりからだな。
あなた
ウグッ……全部聞いてるじゃないですか...
セブルス・スネイプ
ああ、あなたの下の名前の言う通り、吾輩に親しい友人など居ない。...残念ながら力にはなれませんな。
あなた
良いんです!セブルスさんの貴重なお時間は頂けないので!
分かってはいたし、自分でも望んでいた事だが少し残念に思ってしまった。


バサバサとはためくローブを名残惜しく見送った。

と思ったのだが、セブルスさんはピタッと止まり、こちらへ引き返してきた。
セブルス・スネイプ
……仲直りは早めにしとけ。後悔する。
謝る時間を設けてくれないのなら自分から作れ。
セブルス・スネイプ
上手くいくよう祈ってるぞ。
そう僕に告げると、セブルスさんは再び自分の席へと向かっていった。
あなた
(僕の為にわざわざ…)
食事が始まっても暫くセブルスさんの優しさに浸っていた。

明日、2人きりで話してみよう。

時間は作ってもらうものではなく、作るもの。
ですよね。セブルスさん。
アレム・ピエール
おはよう、あなたの下の名前。
お寝坊さんね。
あなた
おはよう…フラムは?
アレム・ピエール
……もう行ったよ。
あなた
そうか。
アレム・ピエール
てか、もう朝食の時間になるよ!
早く支度して!
あなた
えっ!もうそんな時間!?
すぐさまローブに袖を通し、大広間へ走っていった。

いつもの席の隣は空席のまま。







フラムと関係が崩れ始めてから、食事が喉を通らなくなった。それだけでなく、味も感じられない。
誰よりも食べることが大好きな僕にとっては苦痛だ。
あなた
アレム、今日クィディッチの練習場に行ってみようと思うんだけど、一緒に来てくれないかな。
アレム・ピエール
いいよ。フラムに会いに行くんだよね。
でもフラムを見つけたらアタシは帰るよ?2人きりがいいと思うし。
あなた
ありがとう...本当にありがとう。
アレム・ピエール
いいって!友達なんだから助け合いは
大事でしょ?
朝食を取り終え、クィディッチの練習場へ直行する。

幸い、フラムは片付けをしている最中だった。
あなた
フラム。今いいかな。
あなた
いや……話させて欲しい。
フラム・セスラティ
なんでわざわざ来るわけ?
フラム・セスラティ
大変な時期なの、あなたの下の名前なら知ってるよね。帰って。
あなた
嫌だ。帰らないよ。
フラム・セスラティ
っ!何でよ!
あなた
君と仲直りがしたいから!
フラム・セスラティ
私が居なくたってあなたの下の名前は何も困らないでしょ!アレムがいるんだからいいじゃない!
あなた
フラム...もしかして、ずっとアレムに...
分かっているつもりだった。
でも、分かってなかったんだ。





君は僕のことを。
僕は君のことを。





そうしてすれ違っていた。
互いに「知って」はいたのに。



全てが分かった今、申し訳なさと怒りが湧いてきた。
あなた
アレムは君の代わりにはならないんだよ!
あなた
アレムはアレムだし、君は君だ!
あなた
...フラム。どうか誤解しないでくれ。
君は僕にとって大切な友人であることに変わりないのだから。
フラム・セスラティ
...うん。...知ってる。分かってるよ。
フラム・セスラティ
でも……グスッ...
フラム・セスラティ
ごめんなさい...
僕よりも少し小さなその体を優しく抱き締めた。
あなた
僕も知ってる。分かってる。
お互いに抱きしめあってから数十秒。

外からなにか声が聞こえた。
?
うぅ...ふぇぇぇ...ングッ...グスッ
フラム・セスラティ
誰...?
あなた
……泣いてる?
フラム・セスラティ
ちょっとそこめくってよ。
あなた
えっ怖いよ!
フラム・セスラティ
私だって怖い!
テントから影が動いた。
あなた
ちょっとフラム!
僕を盾にしないで!怖い!
フラム・セスラティ
守ってぇぇ!
?
うぇぇ...グスッ
アレム・ピエール
盗み聞きして……グスッ...ごべんなざいぃ...グスッ
あなた
ア、アレム!?
フラム・セスラティ
へ?アレム?
アレム・ピエール
アレムだよぉぉぉ!
テントの裏の影はアレムだった。

恐らく僕たちのことが心配で隠れて聞いていたのだろう。行儀の悪い子だ。

涙と鼻水でグチョグチョな顔で僕達にハグしてきたアレムは、なにか僕たちに言っているがもはや聞き取れない。
あなた
鼻水ローブで拭かないでぇ!
その日は僕の絶叫がホグワーツ内に響き渡った。
翌日の夜、僕はセブルスさんに感謝と謝罪を伝えに彼の部屋の前に立っていた。
あなた
コンコンコン
あなた
セブルスさん、僕です。
入っても良いですか?
セブルス・スネイプ
………
あなた
セブルスさーん?
セブルス・スネイプ
...誰だ。
あなた
?
あなた
あなたの下の名前ですよ?
セブルス・スネイプ
嗚呼、少し待て。
あなた
はい。
数分後、入れという言葉もなく、扉が開かれた。
あなた
セブルスさん!
セブルス・スネイプ
グイッ
あなた
...え?
唐突に現れた黒い物に引き寄せられ思考が停止する。
あなた
……セ、セブルス...さん?
目の前の暗闇は暖かい。

そこで気づく。
もしやセブルスさんに抱き締められてる...?
ということは目の前の暗闇はセブルスさんのお胸……

駄目だ。頭がクラクラしてきた。鼻血出ないかな。
セブルス・スネイプ
……
あなた
セブルスさん、何か言ってくださいよ…
どうにか理性をつなぎ止め、尋ねる。
セブルス・スネイプ
ん?
セブルス・スネイプ
なっ!
セブルス・スネイプ
なぜお前が!
あなた
何故って僕が1番聞きたいですよ!
あなた
急にだ、だだ、抱き締められるんですから!
セブルス・スネイプ
は?...っ!嗚呼、そうだな。
すまない、今離す...
セブルス・スネイプ
っ!
あなた
もう、本当で...ぐえっ
離すために緩められるはずのセブルスさんの腕は再びきつくこちらへ引き寄せされる。
そのせいで不覚にもみっともない声を出してしまった。
あなた
ちょっ...セブルスさん?
あなた
ぐるし...
セブルス・スネイプ
嗚呼、すまない。
だが、少し待ってくれ。
セブルスさんの腕が少しだけ緩められた。
セブルス・スネイプ
ところで何の用だ?
あなた
いや、この状態のまま聞きますか?
普通。
今、僕は部屋の扉にもたれて座っているセブルスさんに抱き締められている。扉は閉められて。

おまけに頭をセブルスさんの胸に押し付けられている為、何も見えない。まるで少女漫画の一コマだ。
セブルス・スネイプ
ごもっともだが、今はそうするしかないのだ。許してくれ。
なんだか今日はしおらしいというか、いつもの堂々とした立ち振る舞いが全くもって見られない。

何かあったのだろうか。
あなた
セブルスさんのお陰でフラムと仲直り出来たんです!
その感謝を伝えに来たんですが、また今度にした方がいいですかね?
セブルス・スネイプ
……嗚呼、そうして貰えるか?
セブルス・スネイプ
すまない。
あなた
そんな申し訳なさそうにしないでくださいよ!全然大丈夫ですから!
セブルス・スネイプ
...では寮まで送って
あなた
少し...待ってください。
このまま帰ろうかと思ったのだが、セブルスさんの部屋に入ってからずっと気になっていることがある。

それを聞かなければ帰れない。
あなた
セブルスさん。
セブルス・スネイプ
何だ?
あなた
怪我してますか。
セブルス・スネイプ
!
セブルス・スネイプ
何故そう思う。
あなた
血の...匂いがするんです。
あなた
近くから。...貴方から。
いつにもなく気弱で謝罪も多い。
僕の声に最初、気づかなかった。
僕が言うまで抱き締めている事にさえ気づかない。
自分の胸に僕の顔を埋め、周りや自分の表情を見えなくさせる。
それに、扉を開けた時に見えたセブルスさんの顔。


……そして血の匂い。










嫌な予感がする。
セブルス・スネイプ
……薬品の調合に失敗したんだ。
セブルス・スネイプ
(言えるわけが無い。)
セブルスさんが閉心術を常時かけられていない。



何よりの証拠が見つかってしまった。
あなた
嘘でしょう。
セブルス・スネイプ
嘘じゃない。
あなた
じゃあ証明してください。
セブルス・スネイプ
どうしろと。
























あなた
腕を出して。
セブルス・スネイプ
ッ...嫌だと言ったら……?
あなた
……どうしても嫌なら、僕は強制はしません。...でもね、分かっていて欲しい。
あなた
僕は貴方の味方であり続ける覚悟がある。
セブルス・スネイプ
……分かった。
セブルス・スネイプ
しかし...怪我などはしていない。
心配無用だ。
セブルス・スネイプ
(いつかは...そう、いつか...)
あなた
ええ、それで良いです。今は。
あなた
あっ、僕の愛への返事、お待ちしていますよ?
セブルス・スネイプ
ふっ、本気で「Yes」が欲しいなら
もっと努力するんだな。
あなた
勿論ですとも!セブルスさんにつり合うよう、高み目指していきます!
セブルス・スネイプ
ふん。面倒な奴だな。...寮まで送ろう。
セブルス・スネイプ
少し扉の方を向いて待っていろ。
そう言うと、ようやくセブルスさんは僕を解放し、部屋の奥へと向かっていった。

数分後、戻ってきたセブルスさんの顔は扉を開けた時よりも少し穏やかな表情へと変わっていた。
目は腫れたままだが。

きっとセブルスさんはさっきどういう顔をしていたのか、今自分がどんな酷い顔をしているのか全くもってわかっていないのだろうな。

……僕の中の保護欲が掻き立てられた。
あなた
セブルスさん。
セブルス・スネイプ
...何かね。
あなた
明日の朝食、いつも残すなら貰ってもいいですよね!
セブルス・スネイプ
何故知っている。
あなた
そりゃ、大好きですから!
あなた
胃小さくて可愛いですね♡
セブルス・スネイプ
小さくない!
吾輩もあれくらい食べれる。
おやおや、案外気にしてるな。

そんなところも愛いな…
セブルス・スネイプ
……また可愛いなどと考えていないだろうな。
あなた
ふふっ、大正解ですよ!
セブルス・スネイプ
チッ
セブルス・スネイプ
早く寮へ戻るぞ。
寮への道のりでセブルスさんと沢山の話をした。

いつもなら僕が一方的に話し続けるのだが、そのときはセブルスさんも時々話に乗っかってくれた。
いつも通りセブルスさんにメロメロな僕のままでいたが、内心嬉しくて嬉しくて堪らなかった。

今夜でセブルスさんとの距離が少しでも縮まったならいいのだが。明日に期待...かな。
フラム・セスラティ
おはよー!アレム、あなたの下の名前!
2人ともお寝坊さんなのね?寝起きの顔してる!
あなた
フラムが元気過ぎるんだよ...
あなた
寝坊したのは合ってるけど
アレム・ピエール
目が開かなぁい!
フラム・セスラティ
あんな泣きじゃくったら当然よ。
あなた
本当、大変だったよ...マジ
アレム・ピエール
ごめんてぇ!だから冷やすもの頂戴!
あなた
君のせいで寝不足なのに...
フラム・セスラティ
グレイシアス・マキシマしようかな...
アレム・ピエール
やめてぇ!ごめんなさぁい!
フラム・セスラティ
分かったなら泣き腫らしながら
大広間に来なさいよー!
アレム・ピエール
やだよぉぉぉ...
あなた
早く行くよぉ?
あなた
ねむっ
アレムと僕は寝起きの為、ふらふらと着替えながら大広間へ向かった。

昨晩セブルスさんに朝食貰ってもいいか聞いたけど、結局答えてくれなかった。
...沈黙はYESと捉えていいよな。
あなた
いつも足りなかったんだよな。
アレム・ピエール
なにが?
あなた
ご飯
アレム・ピエール
うっそ!信じられない!
あんな食べてるのにまだ足りないの!?
あなた
うん。だから今日はセブルスさんのご飯貰うんだ!
アレム・ピエール
スネイプ先生ただでさえ細いのにアンタが食べたら死んじゃうわよ!
あなた
大丈夫大丈夫!
セブルスさんいつも残してるから!
アレム・ピエール
さっすが……セブオタはよく見てるわ...
あなた
セブオタ?何それ。
アレム・ピエール
スネイプ先生のオタクの略称よ。
今はあなたの下の名前だけだけど。
あなた
変な名前付けないでよ...
そんな話をしていると、やっと大広間へ着いた。
ちょうどダンブルドアが話すところだったので、僕は目の見えないアレムと急いで席に着いた。
フラム・セスラティ
ちょっと、遅くない?
あなた
ごめん、雑談してた。
フラム・セスラティ
もう、世話が焼ける2人ね。
アレム・ピエール
お母さん...
フラム・セスラティ
なんか言った?
アレム・ピエール
いやっ何も。
それからダンブルドアの話が終わり、朝食の時間になった。

いつも通り僕は周りの肉を食べ尽くし、腹八分目までも行かずに終わってしまった。

一応目の前に食事があるかと言ったらあるのだが、これ以上食べたらみんなの分がなくなってしまうため、普段はこれくらいで終わりにしている。



しかし今日は少し多く食べられる。……かも。
セブルスさんの方を見ると予想通り手が止まっている。
これは頂けるチャンス……

ウキウキしながらセブルスさんの元へと行く。
あなた
セブルスさんっ!
セブルス・スネイプ
……
マクゴナガル
おや、食事中は出歩いてはいけませんよ?
あなた
すみません、マクゴナガル先生。
しかし昨晩セブルスさんとお約束をしたのです。
マクゴナガル
セブルス?約束とは何ですか?
あなた
セブルスさんの残したご飯を頂く約束です!
セブルス・スネイプ
吾輩はあなたの下の名前の問いに答えていない
筈だが?
あなた
でも、駄目だとも言いませんでしたよ?
マクゴナガル
いいじゃないですか!セブルス!
セブルス・スネイプ
っなんですと!?
マクゴナガル
貴方いつもお残しするから困っていたのですよ?
マクゴナガル
食べてもらえばいいじゃないですか!
セブルス・スネイプ
いや...それは...
あなた
じゃあ貰ってもいいということですね!
いただきまーす!
マクゴナガル
ちょっとお待ちを。アクシオ
マクゴナガル先生の魔法で椅子が飛んできた。
マクゴナガル
折角ならセブルスの隣で座って
食べていきなさい。
マクゴナガル
それと、これからもお願い出来ますか?
あなた
えっ!良いんですか!?
セブルス・スネイプ
なっ!吾輩は許可しませんぞ!
あなた
嫌なら完食すれば良いんですよ?
セブルス・スネイプ
ッ...それは無理だ...
あなた
じゃあ頂きますっ!
セブルス・スネイプ
あっ!
あなた
いやぁ...やっぱ食事こそ1番の幸せですよねぇ...
セブルス・スネイプ
マクゴナガル先生の分まで食いよって...
あなた
どうぞって言ってくれたんですもん!
無駄にする訳にはいかないでしょう!
セブルス・スネイプ
ああ言えばこう言うが過ぎるぞ。
その後もセブルスさんの食事を奪っ...頂いて毎日お腹いっぱいになることが出来た。
セブルスさんの近くに居られてご飯も食べられるなんて幸せがすぎる……♡



しかし幸せはそう長く続かない。
それは4年生になってすぐの事だった。




ガゴンッ

バンッ

ガラガラ

バチバチ
フラム・セスラティ
なっなに!外で何が起きてるの!
マクゴナガル
皆さん!大広間に避難してください!!
アレム・ピエール
マクゴナガル先生...どうしたんですか...
アレム・ピエール
アタシ...怖い……
マクゴナガル
説明しますから今は大広間に!!
アレム・ピエール
は...はいっ!

何事かと思うほどの大きな音。


建物がどんどん崩れていき、ホグワーツ内にいる先生は片手で収まるほどしか居ない。


生徒達の恐怖の叫びが絶えず、外に行くにつれて声は消えていく。……死んでいる。



……セブルスさんの姿が見当たらない。
あなた
マクゴナガル先生!セブルスさんは!
マクゴナガル
外です!
マクゴナガル
っ!あなたの名字行ってはいけません!
あなた
離してください!逃げ遅れて...
マクゴナガル
死喰人が襲撃して来たのです!
あなた
……は?
周りの声や音が先程とは比べ物にならないほど大きくなった。

皆は大広間へ駆け込み、震えている。



遺書を書き始めるもの。

神に祈るもの。

錯乱しておかしくなってしまうもの。



誰1人、見当たらない生徒や先生を助けに行く者はいなかった。
マクゴナガル
今セブルスは死喰人と応戦中です!
マクゴナガル
行ってはなりません!
あなた
離せ...
マクゴナガル
あなたの名字!
あなた
離せ!
マクゴナガル先生の手を無理やり振りほどいた。


僕の魔力は生まれつきとても多い。
だから多くの魔力を消費する魔法も小さな頃から使えた。

そう。僕は強い。


決闘で負けたことは無い。

先生相手でも張り合えた。

皆を守ることが出来る。


そのために戦い勝つことも。







闇の魔術も使った事がある。
あなた
マクゴナガル先生!
ここは守られていますか!
マクゴナガル
セブルス達によって今現在は。
私も援護に回ります!
マクゴナガル
ピエルトータム・ロコモーター!
あなた
(バリアは張られていないか。マクゴナガル先生の魔力も大きく消費させる訳に行かない。……ならば。)
あなた
プロテゴ・トタラム
マクゴナガル
あなたの名字!?
マクゴナガル
やめなさい!
大広間に結界を張った。





僕を除いて。
あなた
マクゴナガル先生!生徒達は頼みます!
そう一言、そしてセブルスさんの元へ走り出した。
アレム・ピエール
あなたの下の名前は……?
フラム・セスラティ
……居ない
フラム・セスラティ
マクゴナガル先生!
マクゴナガル
あなたの名字!?
やめなさい!
マクゴナガル
戻って来なさい!
フラム・セスラティ
マクゴナガル先生!!あなたの下の名前は!
マクゴナガル
今外に出て行ってしまいました...
アレム・ピエール
死んじゃう……
フラム・セスラティ
っアレム!アンタなんてこと言うの!
縁起でもないこと言わないで!
アレム・ピエール
でも!外で何が起きてるかアタシは見ちゃった!
アレム・ピエール
死喰人が来てるのよ!?
アレム・ピエール
絶対に死ぬ!
フラム・セスラティ
死喰人って……ッ!
フラム・セスラティ
行かなきゃ!
アレム・ピエール
駄目よ!貴方まで行ったらアタシどうすればいいの!
フラム・セスラティ
アンタはそこでブルブル震えてればいいわ!意気地無し!
マクゴナガル
2人ともいい加減にしなさい!
...応戦中の教員達が...負けてしまったら、貴方たちにも戦ってもらうかもしれません。
フラム・セスラティ
それは本当で
マクゴナガル
ですから!今は大人しくしていて下さい。守れなくなりますから。
アレム・ピエール
フラム...待ってよう。
フラム・セスラティ
ッ……分かった...
激しい閃光が飛び交う。
特に緑色が目立つのは、先生達が押されている証拠だろう。





外に出て見えた光景はまるで鮮やかに描かれたピカソのゲルニカのようだ。

教員と死喰人の数は全く釣り合っていない。

1生徒が来たところで状況が変わるとは到底思えなかった。しかし、僕は今のホグワーツ内で1番強い。

恐らく教員と死喰人を互角に張り合わせるくらいのことは出来る。

死喰人はアバダケダブラを使う。そのため防御は出来ない。……すべきは攻撃のみ。





セブルスさんは何処に...
セブルス・スネイプ
アバダケダブラ!
あなた
!
あなた
セブルスさん!
セブルス・スネイプ
なっ!あなたの下の名前!何故避難して
セブルスさんの後ろから死喰人が殺しにかかっていた。



闇の魔術は闇に堕ちた者のみが使う恐ろしい魔術。

いや、違う。










守りたいものを守る者が使うのだ。
あなた
アバダケダブラ!
杖先から出た緑色の閃光は見事に死喰人へ命中。
セブルス・スネイプ
っ!
セブルス・スネイプ
何故お前がそれを……!
あなた
話している暇は無いのでしょう!
セブルス・スネイプ
だから早く逃げろっ!
あなた
インペリオ!
また1人殺しに来た死喰人を操り、飛んでいる死喰人にぶつける。流れ星のように死喰人が落ちてゆく。

落ちた死喰人共をすかさずインカーセラスで拘束し、殺す。
セブルス・スネイプ
あなたの下の名前!!やめろ!
あなた
何故!僕も力になれているでしょう!?
セブルス・スネイプ
そういう問題じゃ...!
セブルス・スネイプ
セクタムセンプラ!
セブルス・スネイプ
お前には罪を重ねて欲しくないんだ!!
あなた
貴方を守れれば僕はどうなったっていいんだ!
あなた
言いましたよね、覚悟があると!
確実に死喰人の数は減っていっている。

僕の目的はセブルスさんを守ること。
セブルスさんだって味方が増えて嬉しいはずだ。

何故、彼は僕を逃がそうとするんだろうか。
教師としてならば、今は戦場なのだから関係ない。



とにかく、守ってみせる。
あなた
セクタムセンプラ!
あなた
貴方がどうしても禁じられた呪文を使って欲しくないのなら、この呪文だけを使います。
あなた
ですから、どうか一緒に戦わせて欲しい。
セブルス・スネイプ
……分かった。
セブルス・スネイプ
お前は僕が守る。
あなた
!
あなた
はい...///
あなた
僕も、貴方を守ります!
?
おやおや、セブルス。
生徒をこんな危険な目に合わせても良いのかね。
セブルス・スネイプ
っ!
あなた
セクタムセンプラ
あなた
アクシオ
相手の腕を切り裂き、杖を奪う。

奪った杖を折り、首に自分の杖を突きつける。
?
荒々しいな。
セブルス・スネイプ
ルシウス、大人しく出て行け。
ルシウス・マルフォイ
素っ気ないなぁ。
学生時代はあんなに慕ってくれたのに。
セブルス・スネイプ
過去は過去ですから。
あなた
誰だか知らねぇが、セブルスさんにとって害になるなら殺すぞ。
ルシウス・マルフォイ
もっと人の話を聞かんか。
ルシウス・マルフォイ
私はセブルスを迎えに来ただけだよ。
あなた
迎えに...?
セブルス・スネイプ
ルシウス!やめろ、言うな!
ルシウス・マルフォイ
この生徒は知らないのか。
では、教えてやるかな。
ルシウス・マルフォイ
セブルスは...
あなた
死喰人
セブルス・スネイプ
!
セブルス・スネイプ
何故...それを知って...
あなた
あなたの事ならば全てお見通しですよ?
あなた
...なんてことは言えませんが、ある程度知っている筈です。
あなた
まあ、死喰人なんて気にしませんが。
段々と閃光が見えなくなってきた。

瓦礫の音もしない。

目の前にいるルシウスとセブルスさんの声、そして生き残っている死喰人の呻き声だけが聞こえる。
あなた
あー。煩いな。
ルシウスに対して僕は何故かイライラしていた。
その怒りをぶつけるかのように微かに息のある死喰人へ呪文を放つ。
あなた
セクタムセンプラ
セブルス・スネイプ
あなたの下の名前……
セブルス・スネイプ
やめてくれ...
あなた
はい。分かりました。
あとはルシウスだけですね。
あなた
どうします?少しお話しますか?
それとも早めに殺します?
ルシウス・マルフォイ
ふっ、君がいるところで話してもセブルスは何も答えないだろう。もう帰るとするよ。最後に爪痕を残させてもらうが。
ルシウス・マルフォイ
〜〜~~~。
最後にセブルスさんへ何か耳打ちしたようだが、何を言ったのかは聞き取れなかった。

ただ、その言葉がセブルスさんを弱らせてしまう事であるのは分かった。
セブルス・スネイプ
あ……。
ルシウス・マルフォイ
じゃあね
ルシウス・マルフォイ
セクタムセンプラ
セブルス・スネイプ
ぐっ…!
あなた
てめえ!クルーシオ!
最後の魔法は相手に届かなかった。
あなた
クソっ!セブルスさん!大丈夫ですか!?
あなた
セクタムセンプラの反対呪文は?
セブルス・スネイプ
……もういい。
セブルス・スネイプ
助けなくて良い。
あなた
巫山戯ないでください!
セブルス・スネイプ
それよりもあなたの下の名前が...
あなた
僕は大丈夫ですから!
セブルスさんが……
セブルス・スネイプ
僕よりお前の方が酷い怪我をしている。
あなた
え?僕は怪我なんて...
自分の体を見てみると、ローブが血塗れになり切り裂かれていた。
セブルスさんを守ることに必死で自分の痛みを感じていなかったみたいだ。
あなた
気づかなかった...
セブルス・スネイプ
だから早く……
マダムポンフリーの所へ……
セブルス・スネイプ
っ!
セブルス・スネイプ
何をっ!
セブルスさんをおぶって大広間へ向かう。



今まで真剣に受けとって貰えなかった思いを今ここで伝えなければと思った。

もしかしたらこれで最後かもしれない。

後悔を残して死にたくない。

セブルスさんに愛を知って欲しい。



まだセブルスさんとデートもできていないのになぁ...
あなた
行くなら一緒です。
あなた
一緒に生きましょう...!
あなた
僕は貴方の全てを受け入れる。
全て愛す自信がある。覚悟がある。
絶対に好きになってもらいます。
あなた
僕と……付き合ってくれませんか。
セブルス・スネイプ
馬鹿な奴め……もう既に...
あなた
セブルスさん……?
セブルスさんの声が聞こえない。

息も...





嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ



意識が遠のく。















セブルスさんと一緒なら、このまま死んでも良いかな





そこで僕は瞼を下ろした。
あなた
愛してます。セブルス……
あら、あらあら。何だか早く書けました。

めちゃ急いでたので見るに堪えないかもしれません。
すみません。

ルシウスの口調が本当に苦手で全然ルシウスじゃなくなってしまいました。申し訳ないです。

多分次回結ばれます。

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