最近、よく連絡を取る人がいる。
2つ年上のスビニヒョンだ。
とはいえ、顔を合わせたことは一度もない。
僕たちはネット上だけの関係。
けれど、それが心地よかった。
素の自分を出せるし、相手の目を気にせずに話せる。
ヒョンは驚くほどマメな人だ。
もしかすると、
僕が連絡不精すぎるだけなのかもしれないけど。
毎朝、おはようのメッセージが届く。
夜、通話するときはそのまま「おやすみ」を交わすし、
通話しない日でも必ず「おやすみ」と
メッセージをくれる。
もっとも、ヒョンの方が夜更かしするタイプだから、
その言葉を見るのは翌朝なんだけど。
メッセージで長々と世間話をすることはない。
でも、僕には通話があるだけで十分だった。
ヒョンはよく僕の学校生活の話を聞きたがるけど
正直、話すことがない。
だって……
僕、ぼっちだし‥‥‥‥。
机を貸してしまえば、僕の座る場所はなくなる。
今日もまた、一人で外に出た。
12月。
空気は冷たく、風が肌を刺す。
どれだけ着込んでも、この寒さには敵わない。
サンドイッチを急いで食べて、
あとは適当な場所を探してスマホをいじる。
階段の隅、人気のない通路。
居場所なんてどこにもないから、
ただ立ったまま画面をスクロールする。
あと数ヶ月で高校生になる。
けれど、ここは中高一貫校。
進学したところで、顔ぶれはほとんど変わらない。
この先3年間も、きっと同じ。
ずっと、こうなんだろう。
ため息が出る。
学校なんて、地獄だ。
だからこそ、僕はネットに逃げる。
ネットの中の人たちに
無意識のうちに依存してしまう。
僕のことを知らない人と話すのは、楽しい。
彼らは
こんな情けない僕に「ナイス」と声をかけてくれる。
友達みたいに接してくれる。
廊下の隅でスマホを開き
昨日のゲームログを眺めるとスコアが光る。
ゲームの世界では、こんな僕にも金メダルをくれる。
スビニヒョンが
もしこんな僕を見たらどう思うだろう。
カースト最底辺の、居場所のない僕を。
きっと、軽蔑するに違いない。
だから、ネットの関係はネットのままでいい。
どれだけ仲良くなったとしても
僕はネッ友とリアルでは絶対に会いたくない。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。