兄の身体に兄の魂が宿るまで、
何日も、何十日も、何百日も、何千日も、
もっともっと掛かるのに対して、
僕の魂は飽きもせず僕の身体に溶けている。
兄さんと出会える日を待って、
歳をとることもなくのらりくらり、
生きている価値の見い出せない時間に
耐えて、耐えて、耐え続けて、
ようやく顔をちらっと見るだけなんて、
割に合わないと思うんだ。
どこにいるかも分からない兄を、
月日が経って廃れた、この間の教会の近辺で待つ。
一生のうちに僕は、
モンタギュー家の息子だったり、
彼の弟だったり、花屋だったり、
まぁ他にも色々やってきて、
今や大手企業の跡取りだったりする。
人生は何が起こるかわからない、なんて、
きっと僕以外に言える人はいないだろう。
もう両手では数え切れないほどの一生を、
迎えては越えていく。
いつになっても、
ジュリエットであったことを思い出さない兄と、
許されない愛を咎め合うために、
僕は今を彷徨い続けていくのだ。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。