冨岡SIDE
胡蝶が部屋を出た後すぐ、
重厚な扉がギギギと音を出して閉まった。
その数秒後。
別の扉が音もなく開いて、
「人狼」が、入ってきた。
見知った二人。
一緒に戦った同志。
二人は今、日輪刀を握って
こちらへ歩いてくる。
俺に残された時間は、
あと30秒くらいだろうか。
何か、何か出来ることは・・・
・・・そうだ。
これを目印にすれば。
俺はそれを取って、
「人狼」の席に投げた。
くるくると回りながら飛んでいった
それは、見事に彼らの椅子に乗る。
だが、俺にやれる事はもう無い。
人狼は、気づけば1メートルの
距離にまで迫っていた。
二人は、泣いていた。
きっとお前達は、
勝てない。
「人狼」が刀を振り上げるのを見て、
俺は、静かに目を閉じた。
喋っていた人狼は一人なのか二人なのか・・・
口調は人狼本人に寄せているのか・・・
現時点では、みなさまのご想像にお任せいたします













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!