激闘の末に掴んだ勝利の余韻は、ロッカールームを心地よい熱気で満たしていた。選手たちは互いの健闘を称え合い、その中心には、はにかみながらも誇らしげなあなたの姿があった。
月島はそう言うと、意味ありげにあなたの方を見て、にやりと笑った。あなたは、彼のその視線に気づき、カッと顔を赤らめてそっぽを向く。
彼女はいつものように言い返すが、その声は少しだけ上ずっていた。
その日の帰り道。部員たちのほとんどが先に帰り、あなたが部室の鍵を閉めようとしていると、待ち構えていたかのように月島が姿を現した。夕闇が迫る放課後の校舎には、二人以外に人影はない。
月島はゆっくりと彼女に近づくと、その逃げ場を塞ぐように、壁際に追い詰めた。トン、と彼の手が壁につかれ、あなたは完全に閉じ込められてしまう。
彼の低い声が、静かな廊下に響く。あなたの心臓が、ドクンと大きく鳴った。彼女は顔を真っ赤にして、必死に抵抗の言葉を探す。
月島は、そんな彼女の反応を心底面白そうに眺めると、彼女の顎にそっと指をかけた。冷たい彼の指の感触に、あなたの体がびくりと震える。
彼は、まるで幼い子供を諭すかのように、ゆっくりと、しかし有無を言わせぬ口調で彼女の耳元に唇を寄せた。
その支配的な言葉に、あなたの思考は完全に停止した。そうだ、この人には逆らえない。あの部室での出来事以来、自分はもう、彼のものなのだと、そんな背徳的な考えが頭をよぎる。恐怖を感じるはずなのに、体の奥がじんわりと熱くなっていくのが分かった。彼に支配されることへの屈辱と、どこかでそれを望んでしまっている自分への嫌悪、そして抗いがたい興奮が、彼女の中で渦巻いていた。
月島は、彼女の抵抗が弱まったのを見て、満足げに微笑んだ。
彼の言葉が描く情景に、あなたの顔がさらに赤く染まる。そんな彼女の様子を見て、月島はさらに楽しそうに目を細めた。彼はあなたの髪を一房すくい取ると、その香りを確かめるように、ゆっくりと鼻を寄せる。そして、彼女の耳たぶを、まるで躾けるように、ちゅ、と小さく吸い上げた。
小さな悲鳴と共に、あなたの全身に電気が走ったような衝撃が突き抜ける。もう、まともな思考はできなかった。
満足げにそう言い残すと、月島はあっさりと彼女から離れ、先に去って行った。
一人残されたあなたは、その場に崩れ落ちそうになるのを必死に堪え、火照った頬と、彼の感触が残る耳を両手で押さえた。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。