第2話

#1 「始まり」
6
2025/11/13 10:18 更新







放課後。夕暮れの光が体育館の壁をオレンジに染めている。
裏手の坂を登った先――誰にも知られていない、5人だけの“場所”。
古いベンチと、少し欠けた鉄棒。草むらの中に、ひっそりと広がる空間。






あなたの名前(漢字だと良き)(あなたの名前(↑のふりがな))は、そこで小さなスケッチブックを閉じた。
目の奥に、微かに光が揺れる。

氷乃
……今日の空、ちょっと変じゃない?


氷乃が空を見上げた。
夕焼けのはずなのに、雲の端がゆらめいて、青く滲んでいる。

あなた
……あー、やっぱ見えてるんや


陽彩が眉をひそめる。

陽彩
前から言ってた“色の違う空”……本当やったんか
真白
ふふ、まさか……またあなたの読んで欲しいあだ名の感覚、共鳴してる?


真白が半分冗談めかして笑う。けれど、その笑みの奥に、ほんの少しの恐れがあった。

蓮花
……なんか、音がする。

蓮花が小さく呟いた瞬間______



“パキィン”




目の前の空気が、割れた。

次の瞬間、足元がふっと消える。
風のない空間で、ただ“落ちていく”。

光も、音も、時間の感覚も、全部__溶けた。



割れた瞬間あなたの名前(漢字だと良き)だけが、瞳を開いていた。
無数の光の欠片が浮かぶ空間。
青と白と灰が、混ざり合って波打つ“心の海”。


目の前に浮かぶ扉。
氷の結晶のように透き通ったその扉の中央には、あなたの名前(漢字だと良き)の瞳と同じ光が宿っていた。

氷乃
……ここ、どこだ……?
陽彩
なんだよ……この扉!……


あなたの名前(漢字だと良き)は扉に手を伸ばした。
その瞬間、扉の紋様が淡く光って――
五人の胸の中に、熱い衝撃が走る。


心臓の奥で、何かが“開く音”がした。


蓮花
なんだよ、これさ……
真白
感情の世界…?
あなた
えっ……?

真白が呟く。



あなたの名前(漢字だと良き)の手のひらの中、青白い光が形を取りはじめる。
それはまだ、剣にも、杖にもなりきれない、ただの光の粒。

でも確かに、彼女たちの“心の力”がそこにあった










???
_______ようこそ、〈エンパシーワールド〉へ。

プリ小説オーディオドラマ