放課後。夕暮れの光が体育館の壁をオレンジに染めている。
裏手の坂を登った先――誰にも知られていない、5人だけの“場所”。
古いベンチと、少し欠けた鉄棒。草むらの中に、ひっそりと広がる空間。
あなたの名前(漢字だと良き)(あなたの名前(↑のふりがな))は、そこで小さなスケッチブックを閉じた。
目の奥に、微かに光が揺れる。
氷乃が空を見上げた。
夕焼けのはずなのに、雲の端がゆらめいて、青く滲んでいる。
陽彩が眉をひそめる。
真白が半分冗談めかして笑う。けれど、その笑みの奥に、ほんの少しの恐れがあった。
蓮花が小さく呟いた瞬間______
“パキィン”
目の前の空気が、割れた。
次の瞬間、足元がふっと消える。
風のない空間で、ただ“落ちていく”。
光も、音も、時間の感覚も、全部__溶けた。
割れた瞬間あなたの名前(漢字だと良き)だけが、瞳を開いていた。
無数の光の欠片が浮かぶ空間。
青と白と灰が、混ざり合って波打つ“心の海”。
目の前に浮かぶ扉。
氷の結晶のように透き通ったその扉の中央には、あなたの名前(漢字だと良き)の瞳と同じ光が宿っていた。
あなたの名前(漢字だと良き)は扉に手を伸ばした。
その瞬間、扉の紋様が淡く光って――
五人の胸の中に、熱い衝撃が走る。
心臓の奥で、何かが“開く音”がした。
真白が呟く。
あなたの名前(漢字だと良き)の手のひらの中、青白い光が形を取りはじめる。
それはまだ、剣にも、杖にもなりきれない、ただの光の粒。
でも確かに、彼女たちの“心の力”がそこにあった












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。