第3話

EP.1-2 「やり直しと、タンジーの宣告」
72
2026/08/31 16:10 更新
ピンク色に輝く、ユーカリの花が見えた。
次の瞬間、とてつもなく眩しい光に包まれ、目を覚ますと、
私は殺される前に戻ってきていた(・・・・・・・・・・・・・・・)。
メメモリー卜・フォン・フローラ
メメモリー卜・フォン・フローラ
ああ⋯またか⋯
私が咲かせる花はたくさんある。
塔の中には花についての本はたくさんあるから、全部覚えてる。
私が死ぬ時に咲かせるのは、ユーカリ。

ユーカリの花言葉は、
「再生」
「新生」
「思い出」
「追憶」
「慰め」
「記憶」
「永遠の幸せ」

そのうちの、再生、新生、思い出、追憶、記憶、永遠の幸せが作用して、私は生き返った。
この花は、久しぶりに日光を浴びて、乾ききった心だった私が咲かせた。
一度。生きている時に。

この花は私の感情と周りの環境っていうたくさんある条件を満たした時、首のあたりから花弁が散る。
その日の何日、何十日後かに殺されても、またこの日に戻ってくる。

⋯夜、か⋯。
私はいつになったらこのループから抜け出せるの?
ねぇ、アストランティア。あなたの言うとおりにしたら、叶うと思う?
星さん、願いを叶えてくれると思う?

いや、自分の力でやらなきゃダメだ。
今回で9回目。
斧で、火で、私が死ぬっていう運命は変えられなかった。

でも、絶対に変えてやる。
私が死ぬ可能性がある日は、ゴジアオイが教えてくれる。
もう、間違えない。
メメモリー卜・フォン・フローラ
メメモリー卜・フォン・フローラ
⋯プリムラ⋯マラコイデス
私がそう言うと、血管から皮膚までの厚さが薄い腕から、チリッ!という痛みを感じた。
痛みに反射して、目を閉じる。

目を開けると、白、赤、ピンク、青、紫などの、綺麗な5枚の花びらの花が咲いた。
プリムラ・マラコイデス⋯。学名𝒫. 𝓂𝒶𝓁𝒶𝒸ℴ𝒾𝒹ℯ𝓈

プリムラ・ポリアンサを改良したもので、サクラソウに似てる。
まぁ、サクラソウ科サクラソウ属だし⋯。

⋯プリムラ・マラコイデス。私は誓う。
絶対に今回で、新しい運命を切り開いてやる!
私がそう誓っていると、扉がノックされた。
外側からしか開けられない、内側からは絶対に開けられないこの木の扉。

これがノックされる数が4回。
普通は3回だけど、4回。
私に4んでほしいからかな⋯。

いるんでしょ、ルーラ?
⋯脱出は明日。
今は、怖がっているフリ。
これで上手くいく。
ルーラ・フォン・フローラ
お姉様〜大丈夫〜?
メメモリー卜・フォン・フローラ
メメモリー卜・フォン・フローラ
ヒッ
ひっそりと、私の影にウニのような、棘だらけのピンク色の小さな花が咲いた。
これは⋯ゴボウの花。

あはは⋯もう本当に、私の体にルーラへの恐怖心が染み付いちゃってるんだ⋯。
ルーラ・フォン・フローラ
怖がらないで?大丈夫、私はお姉様の味方だから!
白々しい。
苦笑するしか無い。
メメモリー卜・フォン・フローラ
メメモリー卜・フォン・フローラ
⋯ルーラ、これあげるね
そう言って私が渡したのは、
真っ白の小さな花が集まったゼラニウム。
たくさんの小さな葉、ボールのような黄色い花⋯タンジー。
青と紫の中間のような、少し縦長のマメ科の花、トリカブト。

これで私の意思表示を伝わったかな⋯
ルーラ・フォン・フローラ
嬉しい!ありがとうお姉様!
嘘でしょ?花巫女だよね?
お花の勉強、してないの?
⋯そっか⋯

トリカブト、間違って食べてくれないかな⋯
いや、それは違うな。
別に死んでほしいわけじゃないし。
メメモリー卜・フォン・フローラ
メメモリー卜・フォン・フローラ
良かった⋯。⋯ねぇルーラ。私をここから出して⋯!お願い⋯!
ルーラ・フォン・フローラ
ダ〜メ。お姉様は家のために、おつとめをしなくちゃいけないの
メメモリー卜・フォン・フローラ
メメモリー卜・フォン・フローラ
でも⋯
ルーラ・フォン・フローラ
あ、私そろそろ行かなきゃ!お休み〜!(面倒くさ)
メメモリー卜・フォン・フローラ
メメモリー卜・フォン・フローラ
⋯
カチャリ、とドアが閉まる。

ありがとう、ルーラ。
受け取ってくれて。

もう私に、バーベナ、グリーンベル、イベリスの効果は効かない。
バーベナ、グリーンベルの能力は魅了。
イベリスの効果は誘惑。

⋯ルーラらしいね。
私はこの能力のせいで、騙されてきた。
でも、もう効かない。

私に補正効果とバフ、
ルーラにデバフもかかってる。

⋯タンジーの効果が強すぎて、ちょっと怖いぐらいだな⋯。
あ、わざと見えにくくしたラナンキュラスとスノーフレークには気付いたかな⋯?
スノードロップにして呪っても良かったんだけど⋯。

ルーラは私が咲かせるバーベナとグリーンベルは全部自分のものにするし⋯。
やっぱりあの2つを入れておけば、捨てたりすることはないか⋯

⋯脱出は、明日の朝。
さ、今日は寝ようか⋯


⋯いちいち咲いてたら寝られないんだけど⋯。
ね、咲いてこないで?白のポピー、カイドウ?

――――その頃、ルーラ視点――――
フフッ本当に馬鹿なお姉様♪
笑うしか無い。本当に笑うしか無い。
私はそう思いながら、顔を歪ませた。

ダメダメ、花だらけの塔から、離れてから笑わないと!
そう思いながら階段を降り、大きな庭園を通り抜けて、屋敷の近くに来る
ルーラ・フォン・フローラ
フフフ⋯アハハハハハハハハハ!!!!!
本当に馬鹿なお姉様。
お家のためとか言ったら信じちゃうなんて⋯!
この花の効果もあるけど⋯

お姉様が咲かせたこの花。
いや、私のお花(・・・・)か!
フフフ!

にしても、さっき渡されたこのお花、綺麗!
そうだ!このお花は私の部屋に置こうっと♪

お姉様にしては、気が利くじゃない!
そう思いながら、ルーラは屋敷の中に入っていく。
魅了や誘惑の効果を持つ花を使って人を操っている自分が、
自分が見下している相手の能力で魅了され、とある思考誘導をされていることにも気付かずに⋯
次回はいつ更新するかな

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