第41話

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2026/01/21 13:46 更新





その夜。


みんなもう寝た頃。


迅の部屋の隣の壁───


そこから、トントン、と何かが当たるような微かな音がした。


そしてすぐ、ベッド脇に置いたスマホが震えた。


───【あなた】からメッセージ。





「……ねぇ、迅」
「恥ずかしすぎて寝れない……」





迅は小さく吹き出して、思わずスマホを口元に当てながら笑いをこらえた。




……隣の部屋からかよ





呟きながらも、返事を打つ。





【迅】「あはは。バレた時の顔、真っ赤だったもんな」
【迅】「大丈夫、みんな祝福してくれてたし」





すぐに返ってくるメッセージ。





「だって、みんなの前で言うなんて思わなかったもん!」
「思い出したくないよ…」





その文面を見た瞬間、迅は思わず天井を見上げて深く息をついた。


でも、顔を見に行こうとはしなかった。


今、彼女がどうしても気恥ずかしくて、自分の部屋で丸まってるのを分かっていたから。


だからこそ、彼は“待つ”ことを選ぶ。





【迅】「今日はゆっくり休みな。
明日も訓練あるし、あなたが倒れたらおれが困るから」





すると、少し間を置いて……





「迅、ほんと優しいの」
「好き」





───その瞬間。


迅の指が止まった。


心臓が一瞬で熱を帯び、ほんの数秒の間、頭が真っ白になる。


彼女は軽く打った一言かもしれない。


でも、それは紛れもない“好き”で。


今までどんな未来を見ても動じなかった自分が、このたった一行に、完全にやられてしまっていた。


指先が震える。


……それでもなんとか打ち返した。





【迅】「おやすみ、あなた」
【迅】「おれも好きだよ」





───既読がつく。


そしてその後、返信は来なかった。


多分、照れながら布団に潜って寝たんだろう。


静かな部屋に、自分の鼓動だけが響く。




……やっべ





枕に顔を埋めて、迅は小さく呻いた。


笑いながら、照れながら。




……おれ、目覚めたかも





結局その夜、寝れなくなったのは───


迅の方だった。




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