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第4話

29
2024/07/01 08:52


「条件?」


千切さんはそう言った


「うん、マネージャーはするけど、」


「僕は、千切さんのマネージャー…」


「つまり、千切さんの専属マネージャーなら良いかな」


僕が言い終わると、彼は目を丸くして驚いている


「俺の専属…マネージャー…?」


まだ理解が追いついていない様だったので、説明を加える


「うん、専属マネージャーと言っても」


「僕が“ブルーロックの”マネージャーをしたいとなればブルーロックのマネージャーに…」


「ブルーロックマネージャーは無理だとなればずっと千切さんの専属マネージャー」


「何方も無理だと、僕が判断すれば」


「直ぐに辞めさせてもらえる、」


「という条件があれば…マネージャーになってもいい」


そう僕が加え終わると同時に彼は少し、難しそうな顔をした


「…俺だけじゃ判断出来ないからな…」


「あ!、絵心さんに俺から相談しとくから」


「一週間以内に連絡が来なかったらダメ」


「来たらOK、みたいな感じならどう?」


そう言う彼


「…うん、良いと思う」


「あ、あとさ…学校にも行けたら行きたいんだけど…」


嘘、


本当は行きたくない


学校に行く度に足の切断部分を触ったり


叩いたり


殴ったり


僕の事を下に見るような発言を大勢の人の前で言ったりする人





僕にだけ聞こえる声で僕の事がキモチワルイだの言う人


こないだなんて、切断部分をカッターでゆっくり、


深く斬られた


逃げれば良いじゃんって、


思うでしょ


出来ないんだよ


利き足が無いから


勿論松葉杖なんて、手に届かない処に置かれるから


逃げるなんて事


出来やしないんだよ


なら、大声で助けを呼べば?


ソレも無理


僕は高2


そして勿論周りも高校生なわけだから


タオルや手なんかで口を押さえられて


叫べない


勿論、僕の腕も拘束される訳だから


自己防衛も出来ない


そして相手の気が済むまで


地獄は続くんだ


勿論証拠なんてあるはずもなく…


ただ僕だけが


病院送りにされるだけ


(なら…どうして学校なんかに行きたいの?)


それわね


「でも、もし来られるなら」


「君にも一緒に…」


「僕の高校に通って欲しいんだ…」


なんて頼み事だろう


勿論ダメもとだけれど


許可してくれる訳ない


「………………」


そりゃ黙るよね


他人なんだし


「絵心さんの許可が降りたら…」


彼はそう言う


「は…?」


思わず声を出してしまった


「あなたさん…が」


「生き返るなら、俺」


「なんでもする」


少々頭をヤっているのかと思ってしまう程


真剣な表情


「え、いやいやいや…」


「サッカーは…?」


頼んでおいてなんだこの態度


自分でもそう思う


「両立する」


うそぉ…


「…」


真剣過ぎて怖い


他人の為にこんなに自分の人生変えられる物なのか


人間は


いや、この人が優しいだけだな


そう思う


(流石に許可降りないと思うけど)


「じゃ」


彼はそう言って


部屋を出た



































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