第3話

55
2024/06/22 13:10


試合はブルーロックの勝ち


途中から


父とどちらブルーロックVSU-20が勝つか


賭けた


結果は見てのとうり僕の勝ちだ


試合が終わって暫くした頃


ガラガラガラッ


誰か


数名入ってきた


ブルーロック責任者の絵心甚八


帝襟アンリ


「失礼します」


そして今、失礼します、と言った人


試合にも出ていた選手


千切豹馬


何故彼らがここに?


そう思ったが


絵心甚八が話し始めたので思考を止める


「あなた」


「確認だ」


「この写真はお前だな?」




「は…」


思わず僕は声をだした


「その反応を見る限り、正解の様だ」


「これは中3の頃のお前だが、よかった」


「足を事故で切断した不幸なストライカー」


そう絵心甚八が言うと千切豹馬が少し驚いた様な顔をする


「僕の隣に立っているこの赤髪のストライカー」


「君が階段から落ちていたところを庇った選手だ」


あぁ…


庇ってくれたのはこの人だったのか


僕はすかさずお礼を言う


しかし、返ってきたのは


「怪我が無いなら…良いんだ」


この一言


彼は何処か暗い表情をして


そう言った


「君、内の…ブルーロックの」


「マネージャーやらない?」


其処で急に絵心甚八がそう言う


母と父は喜んでいる


でも僕は…


「お断りします」


そう言った


周りの空気が一気に冷たくなった気がした


「何故」


絵心甚八がそう僕に問う


それに僕は


「サッカーを見てると」


「いや、サッカーを本気でしている人を見ていると」


「苦しいからです」


とんでもなく矛盾している


苦しいのに生でこんな大きな会場でサッカーを見に来る阿呆が何処にいるのか


しかし


絵心甚八はこう言った


「なんだ、予想以上にイカれてやがる」


口角を上げて此方を見、そう言った


そして、暫くしてから絵心甚八と帝襟アンリはその場を去った


母と父も水分やら職員やらを取りに、呼びに行った


そして残ったのは僕…




中性的な顔立ちの選手


千切豹馬


二人きりになった


「お前、足ねぇの」


そう言われた時は不安になった


学校の人達の様に


見下されないか


引かれるのではないか


気持ち悪がられるのではないか


そう思った


でも


この人は違った


「俺も、お前程じゃねぇけど」


「足、一回ヤっててさ」


「気持ち、ちょっとだけど…分かるんだ」


同情してくれた


でも、


他の人とは違う


気持ち悪くない


優しい同情


矢張り同じ様な思いをしていたからだろうか


「なぁ…マネージャーの事なんだけど」


「俺、あなたさんにして欲しいかも、」


「マネージャー」


思わぬ誘いに瞳が揺れる


僕はこう言った


「昨期も言ったけど…僕はもう」


「サッカーとは直接関わりたくないんだ…」


そう言うと千切さんは舌を噛んでこう言った


「俺だって変われたんだ、あなたさんだって変われる」


「辞めたくなったら何時でも辞めて良い」


「俺が絶対!お前を生き返らせてやる!!」


確かに僕はストライカーとして死んでいる


そんな僕を生き返らせる?


今日会ったばっかりなんだけどな…


「頼むっ!」


まぁ…そんな、こんな僕にお願いしてくれてるんだし


「条件つきでなら…」


僕はそう言った


























































まぁ…


僕は生き返ったとしても…


“ゾンビ”になると思うけど


















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