いかにも真面目に答えてる黒川さんだけど、
あまりにも答えのスケールが大きくて、当たり前のことで、
理解はできるけど納得は出来なかった。
確かにそんなことで死なないけど、
でもそうじゃないでしょ。
黒川さんは青空に向けていた目を私に向けた。
視線を合わせるのが苦手な私は反射的に逸らしてしまったけど、
その問いをしばらく考えた。
...なんの為?
私が学校に行く目的?
私はなんで体調悪くしてまで学校に行く?
自問自答を繰り返した。
その結果いちばんシンプルな答えが浮かび上がった。
学校に行くのは私の中では”当たり前”
授業を休んだらその分遅れちゃうし、
私はそこまで頭良くないから勉強するの大変だし、
一日の時の流れが皆平等なら、
多少体調悪くても学校に行った方がいい。
というか行かなきゃダメでしょ。
ピリリリリリッ!!
黒川さんが私の名前を呼びかけた瞬間、
黒川さんの携帯から電話がかかってきた。
...電話の相手って先輩の友達、かな。
連絡もなく学校に来てないから
私のせいで...。
ピッ
通話を終えた黒川さんはポケットに携帯をしまいこんだ。
なんの事か分からず手を引かれて
私に合わせてゆっくりと歩いた。
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-学校-
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そう言われて連れてこられたのは
光が幻想的に差し込む木々が並んでいる道。
私は思わず「おぉ...」と感動してしまった。
日陰になってて、少し涼しいその場所は
私の気分を落ち着かせる為にもぴったりな場所だった。
こんなところあったなんて知らなかった。
黒川さんはベンチに座って、隣に座るように促すけど...
この人はさっきから...”死なないから”って。
グイッ
私は腕を引っ張られてそのままベンチに座らされた。
あなたが腕引っ張ったからでしょーが...!
なんて、言えるはずなくて。
立ち上がろうとしても腕を掴まれたままで逃げられないから
私は諦めて大人しくすることに決めた。
それにしても、、落ち着くなぁ。
空気が澄んでて
鳥や色んな生き物の鳴き声が聞こえる。
私たち以外周りには誰もいない。
緑の木々が被さって、所々に光がさしている。
やっぱり自然っていいなぁ。
アイツら...
元気しかないんですけど……
この、頼もしい感じ。
たった一言で安心させてくれるような。
つい最近まで部活の中心にいてくれた人。
この人が烏野の主将を務めあげた人だと
感じさせてくれる。
そんなこと言ってたんだ。
たしかに練習を頑張っている皆を見てると、私もそれ以上にサポートとか頑張ろうって
動き回ってた気がする。
...私が、自分のことをちゃんと見ていなかったから。
休めていなかったから。
そのせいで体調を崩して
そのうえ学校にも無理やり行こうとしたから、
だから黒川さんは...
自分の時間を作ってまで
そう思うと申し訳ない気持ちが今更押し上げてくる。
そういうとゆっくりと立ち上がって
木々を吹き抜ける風が、黒川さんの髪を揺らした。
私の鞄も一緒に背負って歩き出したので
私は慌てて隣に並んでゆっくり歩いた。
何も言わずにそうできる優しさが
黒川さんらしいとしみじみ感じて、
”ごめんなさい”と言う隙も
私は与えられなかった_________。
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体育祭、文化祭
行事立て続けで疲れました。主です。
更新したこの日、台風がすごいです。
ちなみに今停電中です。なう(2022/09/19 11:05:00)
皆様は台風大丈夫でしょうか。
私は昨日窓が割れるんじゃないかとビビり散らかしました。
どうか気をつけてくださいね🙇🏻♂️😔











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。