教室を後にし車に乗るマサとマサの母、その空気は夏の梅雨の曇り空のように重く感じられた。
二人は黙ったまま家に車を走らせる
マサは黙って外の景色を見ていた
住宅街が並び、いつもの八百屋、本屋、行きつけの古びた図書館、小さな子どもたちがいる公園、いつもと変わらないなんともない景色だった
しかしそんな中いつもとは違うものがマサの目に入った
黄色の、まるでヒマワリのような明るい髪色。真っ白な肌。それに合っている白色のワンピース、そして水色の透き通った瞳の少女が歩いていた
こんな田舎では珍しい外国人にマサは目を留めていた
そんなことを思う間にマサの家についた
母はもう車を降りて家の中に入ったようだった
マサは車を降りるとそのまま財布だけを持って図書館へと向かった
夏の日差しは加減を知らないのかマサに向かってサンサンと照りつけている
数十分歩くと図書館についた、中に入ると、とても静かで人が数人ちらほらいる程度だった
そのまま司書さんにお金をはらい中を探索していく
適当に気になった本を取り、近くの席に座る
ここはいい、誰にも邪魔をされず自分の夢を想像を膨らますことができる
現実なんて、忘れられる
それから数時間は経っただろうか、急にカランカランとドアが開くときの鐘の音がなる
気になってドアの方向を見るとさっきの外国人がいた
司書さんは、なんとかあやふやな英語で対応を始めていた、プリーズマネーヒアーとかリードブックユーライクとか少し単語が足りていなかった
わかっていなかった、英語が伝わらなかったのだろう
その光景を僕は見ていられなかったのだろう、席を立ちその二人に近づく
流暢な英語だった、成績の良さがここで出ているみたいだ
そのおかげがどのようにするかわかったようで料金を払うことができた
マリーは口をはっとさせ両手で口を塞いだ
日本語だ、まさか日本語で返されるとは思っていなくて少し驚いた、まだカタコトだけどしっかり伝わる、きっと何度も練習したのだろう
司書さんにもありがとうございますと頭を下げられた、素直にうれしいと思えた
これで一件落着と思い元の席に戻ろうとしたのだがいきなり服の袖をガッとつかまれた
いきなりのことで少し思考停止していたが名前を教えない義理もないので普通に自己紹介することにした
ブンブンと首を縦に降る、どうやら日本語をしっかり使いたいようだった
いきなり両手を掴んできた、距離感が近いこれが日本と外国の差なのだろうか
それからマリーは僕の近くについてきた、元の席に戻ると隣の席に座り、本を読み終え席を立つとマリーも立ってその後をついてくるまるで親子のニワトリとヒヨコのようだった
トモダチ、いつの間にか友達になっていた
彼女はニッコリと笑顔で言った、論理も理論も、そんなこと関係なしに、ただ単に何も考えていないだけかもしれない
しかし、その瞳の光は嘘をついていなかった
僕のことをトモダチと思ってくれている
そんなことはわかっている
でも…
信じられなかった












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。