第4話

~ ୨୧ ~
25
2024/06/30 11:01
mg side





高校に入学した初日。
俺は隣の席の女の子を好きになった。



喋ってもないのに、早すぎるって?

そんなの、自分が1番思ってる。

俺は今まで、「一目惚れ」という言葉を聞く度に、そんなこと実際にあるのか、と疑問を抱いていた。

でも、今、俺は隣の子に一目惚れしたんだ。




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入学式が終わって、俺は早めに教室の自分の席について待機していた。
少し経つと周りがザワザワし始め、人が増えてきた。
この人たちが1年間同じクラスメイトなんだな、あの子サッカー部っぽいな、この子読書が好きそう、だとか、見た目の印象でクラスメイトがどんな子なのか、1人頭の中で想像していた。



そんな時、1人の女の子が教室の前の扉から入ってきたんだ。

大人しくて、クールな雰囲気だけど、どこか可愛らしい印象も感じられる。
正直に言って、今までに会ったとこのない程の、どタイプの女の子だった。


最初はただ、「すごく可愛い」という気持ちだけで彼女を目で追っていた。

だけど、少しずつ後ろに向かって歩いてきて、1番後ろの俺の左の空いた席の横で、彼女は立ち止まった。

その時一瞬だけ彼女と目が合い、俺は慌てて視線を晒そうとした。
だけど彼女が、俺を見て微笑んで、

あなた
よろしくねㅎ


そう言って、席に座った。



俺はその5秒もない一瞬の出来事で、彼女を好きになった。


顔に熱が集まる感覚がして、心臓がドクドクして、今の自分の表情は変じゃなかったか気になって、、、。


この感覚も、感情も、全てが初めてだった。






彼女の名前が知りたい。


そう思って少しだけ目線を自分の左に向けた。


制服についている名札に目をやると、


ユン・あなた


俺はまだ少しだけドクドクしている胸に手を当て、1人頭の中で彼女の名前を呼んだ。








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