☆11☆
〇「っ!なんでそんなコト言うのよッ!!!」
私は雄也に強く当たってしまった…
〇「3人で…いたかったのに…」
雄「〇〇…」
雄也だって…
隠れんぼで「妹みたいだし…ちげーよ!」って、言ってたくせに…
私のコト、泣かせたの…忘れたの?
〇「雄也なんか………
雄也なんか!ダイッッッキライッッッッッ!!!
もう!話しかけないでッ!!!」
雄也のバカ…
☆12☆
親友は、とってもイイ子で…
いつも、自分を差し置いてまで、私のコトを考えてくれる。
私は、本当に親友だと思っていた。
大好きだったんだ。
新「雄也くんの言葉は、本当か分からないじゃん!」
と、私の恋をサポートしてくれようとして…
親友は…侑李くんに近づいた。
そして…彼女になった…
考えてみれば、当然のコトか…
だって…
侑李くんは、とっても優しいし…
親友は、とってもイイ子。
私なんか…なんの取り柄もない。
意固地で、勇気もなく、
雄也のコトを許せない様な心の狭い私なんかより何倍も…
お似合いだ…
☆13☆
雄也に手を引っ張られ、走ってきた並木道…
イチョウの葉は、ひとつもなく…
枝の間を吹き抜ける風が、淋しさを感じさせた…
〇「…バカじゃないの………」
呟いた言葉に、何の言葉も返ってこない…
しばらくして…
雄也は、意を決したように話し始めた。
雄「…俺の話し…最後まで聞いてくれるか?」
〇「…えっ……なに………?」
雄也は、側の階段に座った。
私は隣に座り…
うつむいた雄也が、その先を続けるのを…
待った。
うつむく雄也を待つのは、幼い頃からの定番で…
抱え込む雄也の心が ほどけるまで、
侑李くんとふたりで、よく待った。
雄「侑李が…〇〇のコト…好きじゃないって言った時…
侑李も…〇〇のコトが…好きなんだって分かったんだ。」
え…「侑李も」…って…
☆14☆
私と侑李くんが背中を合わせ背を比べていたのを見ていた男子が、侑李くんをからかった…
男子更衣室で。
男「侑李〜正直に言えよぉ〜〇〇と付き合ってるんだろう?」
侑「は、はぁ〜?付き合ってないよ//」
男「でも、好きなんだろ?」
侑「はぁ?ち、違うよ!バカじゃねーの!〇〇のコトなんて、好きじゃないよ!お前なに言ってんの?てか、お前が好きなんじゃねーの?」
うつむいてた雄也が…
雄「俺と…侑李は、性格は全然似てないけど…
テンパった時の対応が、そっくりなんだよ//(笑)」
久しぶりに見た…
雄也が照れながら、嬉しそうに…
笑った。
雄也…辛かったんだね…
私…少しも気づいてあげられなかった…
〇「ごめん…」
空っ風の吹く音だけが私達を包んでいて…
何もない私達は…
心も体も…
寒かった…
☆15☆
侑「〇〇?ユ〜ヤ?はい、これっ!」
振り向くと、私達が ばら撒いた教科書を笑顔で渡す…
侑李くんがいた。
雄也はそれを受け取り、
雄「俺…教室 戻るわ…」
〇「え…でも…」
雄「侑李に話したいこと、あるだろ?!」
そう淋しそうに言うと、トボトボと歩いて行った。
雄也が座ってた場所に、侑李くんが座る。
並んだ影。
私より だいぶ背が高くなったんだもん。
こうして並ぶと…男女の差。
侑「雄也、何だって?」
〇「えっ?」
侑「・・・好きって…言われたでしょ?」
〇「う〜ん?言ったかな………?」
侑「アイツ、そんな分かんないくらい濁したのかよ〜!?(笑)」
侑李くんも…笑ってる…
きっと辛かったんだ…
雄也と、上手くいかなくなって…
ふたりは、お互いが『好き』なのに…
この『友情』………
壊してしまったのは…
私。
☆16☆
侑「ごめん。俺…ウソ付いてた。」
〇「………ウソ?」
侑「…雄也と〇〇に、前みたいに仲良くなってもらいたくて…
付き合ってるって…
ウソ。」
〇「・・・えっ!・・・
・・・えぇェェェーーーーーッ!!!」
ビックリするでしょぉ!!!
演技だったなんて…
侑「でも…分かっただろ?」
〇「えっ……」
分かった?コト………?
3人は、お互いが『好き』…
雄也と侑李くんの『友情』…
侑李くんと私の『友情』…
そして…
雄也と私の……………
なんて呼べば…いい……の??
☆17☆
侑「行ったら?」
侑李くんの言葉に、はっ!!!とした。
雄也…
〇「っ!!!う、うんっ!!!」
私は走り出そうとして、「あっ!」と振り返った。
〇「侑李くん!!!
………………また…遊ぼうねっ!!!」
侑「うん!3人でな!!!」
嬉しかった…
戻れたんだ!!!
あの頃みたいに………だよね…
走りながら考えた。
3人のコト…
いっつも一緒だった。
3人のバランスが良くて、ホントに楽しかった。
侑李くんのコト…
ひとりで泣いてる私を、いっつも見つけてくれる…
繊細で優しい侑李くん。
『好き』なのは今も、これからも変わらない。
侑李くんが居なきゃ、私は迷子のまま。
大切な存在。
☆18☆
雄也のコト…
いっつも どんな時も傍に居てくれる…
どんな事からも守ってくれる雄也。
雄也が居なきゃ、私は前に進めない。
大切な存在。
自分のコト…
雄也が、3人の関係を崩す様な言い方をしたと、勘違いしていた私。
大切にしたかった『友情』を…
本当は…私が壊した事にも気付かず…
ガラガラッ!!!
勢いよくドアを開けると…
誰もいない教室。
雄也は机に伏せて眠っていた。
珍しい…
見た目によらず真面目な雄也。
学校で寝ている姿なんて、見たことないのに…
その傍に寄り添うと…
“さわっ………”
自然と雄也に触れていて…
自然と言葉が こぼれた…
〇「好きだよ…」
私ずっと…
雄也が『好き』だった…
☆19☆
侑李くんは ずっと気付いてて…
まだ、親友とは、親友ではなかった時の事。
新「〇〇は好きな人いるの?」
〇「えっ// うん……たぶん、侑李くん…かな?」
私は、はっきり言ったつもりだったけど…
それは明らかに…
曖昧な答え方だった。
ある日…
キューピッド役をしているはずの親友に聞かれた。
親「〇〇って…もしかして…雄也くんが好きなんじゃ…ない?」
〇「は、はぁ?ち、違うよ!何言ってんの?すすす好き//じゃないよ!バカじゃないの?てか、そっちが好きなんじゃないの?」
どうしてだろう?
分かりやすくテンパってしまった…
侑李くんは、ずっと…
私が、雄也を突き放している事に、心を痛めていたんだ。
私…『好き』だから…
『好き』だから許せなかったんだ。
私達のバランスはまた…
3人でいられる、場所を保ちはじめた。
☆20☆
誰もいない、
ふたりきりの教室。
柔らかい 雄也の髪を撫でてると…
心が落ち着いていくのが分かった。
こんな穏やかな気持ちになったの…
久しぶりだな。
そう思った瞬間…
ムクっと起き上がった雄也が…
不意に……キスをした。
目を丸くしてる私に、
雄「俺も好き///」
と、照れながら笑った。
雄「お前ズルいよ〜」
〇「え…何が?」
雄「髪撫でるとか反則//…ドキドキしちゃう//…だろ//」
〇「い、いいじゃん//…好き//…なんだから…」
雄「あ!それも!俺が先に言おうと思ってたのに…」
〇「え?なんて?」
雄「はぁ?言うわけねーだろ!」
そう言って、雄也はまた嬉しさが隠せないと言わんばかりに…
雄「好き// ってコトだよっ/// バカ!」
と、照れて笑った。
☆21☆
新「私…侑李くんと付き合う事になったの。」
え…デジャブ?
新「〇〇、ゆっくり歩いてたら遅れるよ!」
と、少し離れた前方から振り返り、手招きしながら言う…
侑李くんと肩を並べて。
え…またデジャブ?
えっ!……//
どう…なっ…てるの//………?
雄「おっせーよ!」
私の手を取り走り出す雄也。
やってるコトは、今までと あまり変わらない(笑)
何年経っても、雄也は私の傍にいる。
だって…
雄「ずっと 俺の傍に居ろよな!」
って、言うんだもん♡
それは、デジャブの繰り返しの様な…
みんなが幸せな…
『♡♡♡♡ ~four heart~』
☆fin.☆












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!