第5話

わたしだって先輩には敵いませんよ
89
2019/09/27 05:44 更新
カイト
「今日は帰ろうかな〜、
サクラ来てほしくなかったみたいだし」
エミ
「なんで笑ってるんですか?」
カイト
「え?」
エミ
「辛いのに笑ってますよね?」




思わず言ってしまった… 後悔した。



カイト
「ほんとエミちゃんには敵わない…」




『わたしだって先輩には敵いませんよ。』




言えなかった。




カイト
「サクラは俺が厄介なんだよ。 」
エミ
「なんでですか?そんなことないと思いますよ。」
カイト
「エミちゃん、ありがとうね。元気でたきがする。」



どれほどサクラさんが大事なのか痛いほどわかった。


カイト
「エミちゃん、送っていくよ。もう暗いしね。」
エミ
「大丈夫ですよ?本当にすぐそこですし。」
カイト
「だーめ。エミちゃん可愛いんだから。危ないよ?」



エミちゃん可愛いんだから。


そんなこと言わないでよ。熱くなりますよ先輩。




カイト
「どうしたの?エミちゃん顔、真っ赤だよ?」




心の中で『この、天然たらし。』って呟いた。





エミ
「先輩のせいです。」
カイト
「え〜俺のせい!?!? まあ、送らせて。」
エミ
「ありがとうございます。」
カイト
「今日はエミちゃん、よく喋ってくれる嬉しいよ。」





『 』上手く喋れてるのかなあ。伝わっているのかな。








結局先輩に家まで送ってもらった。



エミ
「先輩っ!ほんとうに3年間おつかれさまでした!
陸上やめてもずっと応援してます。
お世話になりました!!」
カイト
「エミちゃんありがとう!!」





これがカイト先輩との最後の会話。









暑くて死にそうな夏も、残暑の秋も。





先輩と話せるわけもなく、






あっというまに通り過ぎた。









気がつけば寒い2月。






__________ 冬になっていた。













プリ小説オーディオドラマ