第97話

全力を持って
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2025/09/06 14:45 更新
咆哮が、轟く。
耳をつんざくようなその声に、
ネイフィオの背に乗りながら空月は思わず顔を顰めた。
空月(そつき)
空月(そつき)
ネイティオ!全速力で頼むよ!
ネイティオ
ネイティオ
ティ…!
空月の声に応えるように、ネイティオはその翼を大きくはためかせる。
吹き抜ける風で靡いた髪を押さえながら、
空月はじっと前方に見える黒いレックウザを見据えた。

この距離だから正確なことは分からないが、
今あの場に見えるのは見知った仲間の姿のみ。
先ほどエクスプローラーズのヘリが見えたから、
おそらく彼らは撤退したのだろう。
……レックウザの捕獲という目的を果たせずに。
空月(そつき)
空月(そつき)
ッ…ネイティオ!!
黒いレックウザが目前に迫った時、途端にりゅうせいぐんが降り注ぐ。
そして、それをかわしていたリザードンの背中から……
ホゲータが投げ出されるのが見えた。
空月(そつき)
空月(そつき)
あっぶな!
フリード
フリード
空月!
百合奈
百合奈
しおん!
何とかりゅうせいぐんをかわし手をめいっぱい伸ばしてホゲータをキャッチすると、
それを見たネイティオはぐるりと旋回して一度黒いレックウザから距離をとった。
空月(そつき)
空月(そつき)
はい、ロイ
ロイ
ロイ
ありがとう!
ホゲータ、無事でよかった……!
リザードンに近づいてその背に乗るロイへとホゲータを手渡せば、
ロイはホゲータをぎゅっと抱きしめた。
その光景はとても微笑ましいものだったが……今はそんなことを思っている暇もない。
百合奈
百合奈
チッ…!
フリード
フリード
また来るぞ!
フリードの声に弾かれるようにハッと振り返れば、
再びレックウザがりゅうせいぐんを放とうとしていた。
さすがは六英雄、さすがは伝説のポケモン。
その威力は桁違いだ。

放たれたりゅうせいぐんは辺りを破壊していく。
そして隕石一つがリコへと迫った時……何者かが、その隕石を真っ二つに切り裂いた。
百合奈
百合奈
スピネルめぇ…こそこそ何かやっていると思えばァ…!
リコ
リコ
……アメジオ!
アメジオ
黒いレックウザは俺がいただく…!
じっと、真っ直ぐに黒いレックウザを見据える。
そこにはエクスプローラーズのアメジオと、
彼の相棒であるソウブレイズの姿があった

あんなに幹部が勢揃いだったのに今更現れるなんて……重役出勤もいいところだ。
まぁ先ほどの言動からして、スピネルに出し抜かれたのだろうが。
アメジオ
【我が道を貫け】ソウブレイズ!
その時、下方から眩い光が発せられる。
……あれは、テラスタルオーブ。
確か以前戦った時はテラスタルなんて使っていなかった気が……となれば、
黒いレックウザと戦うために習得したというのか。

宝石の鎧を纏ったソウブレイズが光を受けて輝く。
頭の宝石の形から察するに、ゴーストタイプのテラスタルだ。
アメジオ
〈ゴーストダイブ〉!
ゴーストダイブは神出鬼没。
その姿を見せずに、レックウザへと何度も何度も攻撃を仕掛ける。
テラスタイプ一致のゴーストダイブはかなりの威力のはずだが……
それを嘲笑うかのようにレックウザはピンピンしている。
空月(そつき)
空月(そつき)
あっはは、強すぎて嫌になっちゃうね☆
二人

あぁ、勝機があるとするなら……
地面に降り立った3人がアメジオを挟むように並ぶ。
そしてフリードは胸ポケットからテラスタルオーブを手に取った。
フリード
フリード
【可能性を超えろ!】リザードン!
それを続くように百合奈もルカリオを出し
百合奈
百合奈
ルカリオ【メガシンカ】!
キラキラと眩い光がその場を支配する。
そしてリザードンはあくタイプへとテラスタルした。
ルカリオもメガシンカしてメガルカリオとなった
フリード
フリード
〈テラバースト〉!
百合奈
百合奈
〈インファイト〉!!
その威力は流石というべきか。
テラスタルにより威力の増したテラバーストとメガシンカしたルカリオはいつもよりの倍のパワーを発揮してはレックウザへと直撃、上空で大きな爆発を引き起こした。
空月(そつき)
空月(そつき)
こりゃ、
僕らも負けるわけには行かないみたいだねぇ!
エースバン!
ぽんっとモンスターボールが開くと空月の相棒ポケモン、エースバンが現れる
未だピンピンしているレックウザへと視線を送る。
リザードンとソウブレイズのテラスタル、百合奈のメガシンカ
隣に並んで戦うのならこっちも全力で行かなきゃね。
スッと口角を上げると、
空月はポケットからテラスタルオーブを取り出し…それをボーマンダ目掛けて投げた。
空月(そつき)
空月(そつき)
さあ!【心の炎を燃やせ】!エースバン!!
エースバン
エースバン
___________バァース!

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