かたっ、という音が後ろからなる。
後ろにはうりがいたはず。
うりと一緒に、男が廊下の曲がり角から現れる。
うりの口元に、恐らく薬物を染み込ませたタオルを当てていた。うりはもう、意識を手放していた。
仕方なく、床に膝を着いて手を上げる。
うりの口元から布を外した時、うりは床へ倒れ込んだ。
そのうりへ拳銃を向け、"打っちゃうよぉ?"と
笑う犯人。
……何が、市民の平和と命を守るだ。
俺たち警察の安全は誰が守る?
命はどうやったら保証される?
俺たちは必死で市民を守っている。
そうしたら、こんな仕打ち。
守られてたやつが、守ってたはずの警察に手を出して、見下して。
守ってやってたんだ。感謝しろ。
それなのに、守っていたはずの相手に殺される。
それで、死んだ警察が、報われないじゃないか。
仕事に報われるとか、報われないとか。
そんなことを持ち込んでは行けない、分かっているのに。
俺の一言に激情した犯人は、うりの方へ向けていた拳銃を俺の額に向ける。
冷たい、鋼鉄の拳銃。
打たれたら、脳幹直撃。一撃で死ぬ。
ぴくりとも動かないうり。
起きるはずない。分かっていた。
淡い期待と、少しの信頼。
ただ、それだけ。
犯人は、汚い笑い声を上げながら俺に近づき、俺の額へと拳銃を押し付ける。
犯人が引き金へと指を置いた瞬間ーーー
後ろから声がして、慌てて振り向く犯人。
それと同時に、俺も動き出して犯人の無効化。
本当は言いたくなかったけれど、助かったし。
ブイサインをして、俺に笑顔を向けるじゃぱぱ。
うざい。けれど、安心する。
床に倒れ込んだうりを起こして、必死に声をかけるゆあんくん。
たっつんも合流。
うりは呼吸が荒くて、顔色が悪い。
表情も、心做しか苦しそうに歪んでいた。
潤んだ目で必死に訴えかけるゆあんくんに、
過去の彼女の姿が重なる。
必死でそう叫ぶ彼女の表情は、初めて見るものだった。
段々と、目に涙が浮かんでくる。
段々と、声がかすれてくる。
それでも彼女は叫び続けていた。
必死に。
うりの小さな声ではっと我に返る。
ゆあんくんはと言うと、ゆっくり目を開けたうりに安堵のため息をすると、安心したように微笑んだ。
"馬鹿、寝てろ"と笑うゆあんくんと、うりは兄弟のように繋がっている。
うりがお兄ちゃんかな、ゆあんくんは弟。
なんて考える。
たっつんの言葉に、うりは不器用な笑みを浮かべた。
家の玄関前で、自分の膝に肘を置いて、頬杖をつく警察が1人。
そんな彼女の携帯に、着信が入った。
"のあさん"とかかれた人からの電話。
彼女は、それを面倒くさそうに眺めると、
と、気だるそうに出た。
表情は、少し寂しそうであった。
それは、過去を嘆くものなのか、未来を願うものなのかは、
彼女自身にしか分からない。
そんな他愛もない会話をしたのは、また別のお話。
頼れる上司とか先輩っていいよね。
ゆあんくんの上司はじゃっぴなので、
じゃっぴを無理やり頼れる上司化。
たつやは前回喋りまくってたので
今回は会話少なめ。
ゆあんくんメインだから、うりりんも寝ててもらいました。
文字数多くなってる気がする症候群発症中←












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。