第33話

33.
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2023/09/14 12:00





休み明け、僕は最っ高に幸せな気分だった。
そこに佐藤さんがやってくる。

大 樹 .
大 樹 .
おはよう吉野くん
北 人 .
北 人 .
おは…、ちょ、どこ行くんですか…!
大 樹 .
大 樹 .
いいから

通りすがりに誘拐された。←
連れてこられた場所は、休憩スペース。
朝だからか、人はいない。
僕は椅子に座らされ、佐藤さんは反対側に。

北 人 .
北 人 .
急になんですか?
大 樹 .
大 樹 .
単刀直入に聞くけど、あいつとセックスした?
北 人 .
北 人 .
ちょっ…単刀直入すぎます
大 樹 .
大 樹 .
急いでんだよ、悪いな
北 人 .
北 人 .
はぁ…いや、してませんけど
大 樹 .
大 樹 .
…あなたさ、セックスしたくない理由があると思わない?
北 人 .
北 人 .
確かに思いはしますけど…でも僕は急いでないですし、
大 樹 .
大 樹 .
多分このままだと、一生無理だな
北 人 .
北 人 .
え、?
大 樹 .
大 樹 .
俺に譲ってくれよ、あいつ
大 樹 .
大 樹 .
俺なら話も聞けるし、きっと満足させてあげられる
大 樹 .
大 樹 .
あなたは無理だって言ってたっけ…
北 人 .
北 人 .
いや、駄目ですよ何言ってるんですか

僕はちゃんと、あなたさんの彼氏だ。
性行為もろもろ、権利は僕にある。

北 人 .
北 人 .
僕の先輩ですから
大 樹 .
大 樹 .
…わかった、じゃあ話だけ聞くよ
北 人 .
北 人 .
それも僕が…
大 樹 .
大 樹 .
吉野くんは少々、気持ちが行き過ぎてると思うんだけど、自分では感じない?
北 人 .
北 人 .
…、
大 樹 .
大 樹 .
このままだと監禁しちゃいそうで、普通に俺怖いんだよね
北 人 .
北 人 .
監禁って…そんなことはしないです!
大 樹 .
大 樹 .
分かってるけど、やっぱり不安は拭いきれないよね
大 樹 .
大 樹 .
話だけでも、俺に聞かせて欲しい
北 人 .
北 人 .
…わかりました
大 樹 .
大 樹 .
話を聞いたあとは、俺知らないから
北 人 .
北 人 .
え、何のことですか?
大 樹 .
大 樹 .
お疲れ〜

席を立った佐藤さんは、エレベーターへと向かった。

北 人 .
北 人 .
…え、なに?←

あまりにも話がトントンと進みすぎて、訳が分からなくなってくる。

北 人 .
北 人 .
"俺知らないから"とは?

話を聞いたあと、なにかするつもり?
それとも僕に託した、っていう意味?

北 人 .
北 人 .
…え、なに?←

どれだけ考えても、答えは見つからなかった。



佐藤さんはその日、会社に戻ってくることはなく、直帰という形になっていた。
そしていつもは7時くらいまで仕事をしているあなたさんも、今日は珍しく定時であがった。



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