なおきり?side
盗聴器の声を聞きながら、そう呟く。
僕の目的は、まず僕が1人の人間に戻ること。
その次は僕をこんなふうにしたじゃぱぱに復讐すること。
...そして、彼を僕のものにすること。
そのために周りの奴らは排除する。
ただ、それだけだ。
あっちの僕とは随分仲が良かったみたいだけど、今ではこの有り様か。
ゆあん...そう言っていたけど、僕の知らない名前だ。
話の内容から予測するに、付き人とかまぁその辺りだろう。
僕は目的さえ果たせれば、人の命なんてどうでもいい。
殺さなくていいなら別に殺さないし、殺した方がいいなら殺す。
今彼を含めたっつん達が懸賞金にかかっているのなら、それを利用するまでだ。
じゃぱぱに引き渡し、帰ってもらう。
だから殺す必要はない。
...ただじゃぱぱを、どうするか。
特殊能力について、まだ世間では一般的ではないため情報が少ない。
特殊能力が体に宿る条件、消滅する条件、何もかも、まだ確実な答えが見つかっていない。
...まぁつまりタネが分からない以上、僕はじゃぱぱを殺すことはできない。
復讐はその後だ。
まずはたっつん達を捕らえじゃぱぱに引き渡し、そしてどうにか特殊能力を解除してもらう。
そして最後に、どうやって彼を自分のそばに置くかだが...
これはただの予感にすぎないが...恐らく彼は、"そういうこと"に長けている。
つまり器用な小回りが上手く、いずれ逃げる術を自分で導き出すだろうということ。
どこまでが本心かは知らないが、じゃぱぱを人質に取ったところで彼が言うことを聞いてくれるとは限らない。
どうしたものか...
彼はあまり他人を信用していないみたいだけど、そういえばついさっき情報が入ったじゃないか。
...彼を守ろうとして、そして彼が守ろうとしている相手。
あまりにも適役すぎる。
___________次のターゲットは"ゆあん"くんだ。
ヒロside
というかまず、"自力で逃げてきた"なんていうことが本当にあり得るのか。
いくらうりとはいえ、相手のレベルが違いすぎる。
...もし嘘だとしたら、俺はうりを信用していいのか?
うりが戻ってきたあの時、うりは少しわざとらしく片腕を見えにくい位置に置いていた。
そう、"わざとらしく"。
きっと普通は気づかない。
俺は仕事上そういう行動には敏感だから、気づいたのだけど。
そしてあえてそんな行動をしたということは、うりは俺にだけ伝わるようにするためだろう。
うりがそういうスパイのような小細工が得意なのは、前に思い知らされたからね。
何かを伝えようとしているのだろうけど、肝心の内容が全く分からない。
もし言えないならそんな回りくどいことをせずに手紙かなんかで伝えてくれればいいのだけど、そういえばうりは字の読み書きができないんだったな...。
...ニャー
なんでこんなところに。
野良猫だろうか。
それにしては随分と綺麗な毛並みをしている。
誰かが丁寧に世話をしているような、そんな見た目。
じっと見つめていると、その猫はふいとそっぽを向いて何処かへ消えていってしまった。
...何故か変に、違和感を感じる。
ただの猫なんだけど、そうなんだけど、何故か。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。