玄関でのやり取りの後
みんなは母屋の縁側に移った。
陽が西へ傾き始めた頃。
「……さて、帰ろっか」
京介が立ち上がって、魔法陣の札を取り出した。
……が。
「ん?」
雄大と威尊が……。
「ちょ、ちょっと待って。人数……オーバー?」
京介が、手のひらの札を見ながら固まる。
「え? 俺ら帰れんの?」
「うそやん」
うさ耳とアルパカ耳が、ぴくぴくと震える。
「ご、ごめん!…」
「まあええって。俺ら別に、急いで帰る予定もないし」
雄大がくすっと笑う。
「どうせ空白の時間やしな。匠海の結界強化、手伝えることあったらやるで」
威尊もにっこりと笑った。
「え……ほんと?」
匠海が目を瞬かせる。
「うん。しばらく、こっちにいさせてもらう」
「どうせ、俺ら妖やし。ふらっとしてるぐらいがちょうどええんや」
理人と京介は顔を見合わせたあと
「……ま、頼りになるやつらが増えるのはいいことだよな」
その光を見上げながら、匠海とひろむはふっと息をついた。
「……さて。しばらく、賑やかになるな」
「そうだね」
縁側には、まだお茶の香りが残っていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。