第20話

第20話
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2024/01/11 01:42
スマイス
スマイス
ニコラァァァァ!!!
ニコラの胸から溢れる血、口からも吹き出す血。
スマリン
スマリン
私の可愛いスカールに手を出さないでおくれ
不気味な笑みを浮かべる母スマリンの持つ剣は血がポタポタと垂れていた。
スカール
スカール
お母様!どうもありがとう
倒れ込んでいるニコラを助けようと前に進むがナステスに手首を握られ動かない。
戦い中の父サスターがニコラを踏んでしまった。
スマイス
スマイス
ッッ!!!
スマリン
スマリン
動かなくなったとて邪魔な物は邪魔ね。
スマリンはニコラを蹴りながら端へ退かした。
私は怒りが頭に込み上げてきた。
気づけば体に力がとても入っていた。
ナステス
ナステス
は?ちょ冷た。
ナステス
ナステス
あんた能力持ちなの?
スマイス
スマイス
は?
涙を浮かべながらもナステスの手を見た。
涙越しに映る光景はハッキリではないがナステスの手が凍っていることに気づいた。
ナステス
ナステス
あんた笑残念ね笑
私の手を凍らしたらあんたの手首も離せないじゃない。
残念なことに私とナステスの手が繋がってしまった。これじゃあ戦う事も逃げることすらも出来ない。
ジュピター
ジュピター
スマイスさぁぁぁぁん!!
奥から体に火のついたジュピターが走ってきた。
スマイス
スマイス
えっ?えっ?!
ジュピター
ジュピター
火傷しちゃうかもだけどしょぉぉがなぁぁぁい!
私とナステスの手の間にジュピターは突っ込んできた。肩がグッと後ろへ行き、体が自然に一回転をした。当たり前だが私の手は赤く火傷状になっていた。
スマイス
スマイス
(肩持ってかれるところだった〜)
ナステス
ナステス
あっっつ!
ナステスが真っ赤になった手を見ている間に私とジュピターはここを離れた。
ジュピター
ジュピター
スマイスさん能力あったんですね!
スマイス
スマイス
あぁ、、、初めて知ったわ、
ジュピター
ジュピター
今凄いんですよ!もう、、私達の国すっごい勝ってます!
下山し険しい道を通り顔を上げるとあちらこちらに相手側の鎧が沢山落ちていた。
アベッサ
アベッサ
うぅ無理かも
どこからかアベッサの声が聞こえた。
戦っている騎士たちの中からアベッサを探すと、アベッサは剣を持ったグロチェスターと戦っていた。
ジュピター
ジュピター
助けに行く!スマイスさんもできる限りの事はして下さい!
スマイス
スマイス
わかったわ!
ジュピターと私は離れ離れになった。
私はとりあえず氷で敵の足を凍らせて仲間の軍に楽にさせてあげる事にした。
スマイス
スマイス
きゃっ
グロチェスターの執事ブロッサスが私の肩を突き飛ばしてきた。
私は後ろにザザっと転けてしまった。
ブロッサス
ブロッサス
鬱陶しい。
ブロッサスは私に剣をを振りかざしてきた。
私は氷を出すため手をかざしたが、その手はエスラードによって塞がれてしまった。
エスラード
エスラード
手繋いでる同然じゃんこれ!♡
スマイス
スマイス
離してっ
マリフ
マリフ
やあぁぁぁぁぁ!
マリフがブロッサスに突進をした。
当然ブロッサスは飛んで行った。
マリフ
マリフ
大丈夫ですかお嬢様!
エスラード
エスラード
え〜、、
マリフ
マリフ
あなたは!手を退けなさい!
マリフはエスラードに怒り私の手から払った。
エスラードは不貞腐れたようにどこかへ去った。
マリフ
マリフ
私ニコラ治療してきます。どうかご無事で!
スマイス
スマイス
ニコラを頼んだ!
私はまた次々と敵の足を凍らせて行った。
アベッサ
アベッサ
スマイス!危ない!避けて!
アベッサの声と共にドンッという重低音が響いた。
軍のみんなが騒ぎ始めた。
視線が全てこちらに集まった。
下を見ると血がポタポタと垂れていた。
後ろを見ると銃を持った敵の兵隊がいた。

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