『笹原くんっ!』
あなたの名字が俺を呼ぶ声。
俺はそれに応える。
『聞いてっ、今日ねっ、ちょっとだけ外に出れたのっ…!』
『まぁ言っても家の周り1周まわっただけなんだけど…』
少し恥ずかしそうにこちらを見ながら話すあなたの名字。
あなたの名字が俺に今までの事を教えてくれて、インターホン越しじゃなくてちゃんと面と向かって話してくれるようになって、あなたの名字は少しずつ高校へ行けるように頑張ってくれている。
毎日放課後にあなたの名字の家へ行くと、その日の進捗を教えてくれる。
すっごい笑顔で。
その笑顔、すーごい可愛いんだぜ?
きっと、あなたの名字のことを虐めてたやつは羨ましかったんだろーなー、この可愛さがっ!!
まぁ、虐めてたヤツらに俺が今会ったらぶちのめすけど…
俺、今自然と「可愛い」って言わなかったか…?
え、いや、えぇ、?
嘘だろ、、、
友達のやつは聞いてたけどよぉ、自分がなるなんて聞いてないんだけど……
『笹原くんっ?大丈夫…?』
一人で考え込んでいる俺を不思議に思ったのか、あなたの名字がこちらへ近づいてきて顔を覗き込んできた。
ちょ、今はダメだ、あなたの名字がすんげー可愛く見える。
あ、いや、可愛いんだぜ!?元々!
でも、いま見られたら倍に増して可愛く見える、というか……
いや俺何言ってんだよマジで。
『ちょ、顔赤いよ!?熱、??』
本気で心配してくれてるあなたの名字に申し訳なくなってくる……
きっと、あなたの名字は俺のことなんとも思ってないんだろーなー、、、
振り向かせ、られるかな、
『え、?うん、?おぉー、??』
変に気使わせちまった…w
まぁいいや、
『はっ、はい!!』
『え、あ、はい、!なんかわかんないけど!』














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。