この作品を読む前に
此方の作品を先に読んで頂いた方が夢主ちゃんの解像度が多分上がります
それでは本編へどうぞ!
…………どうしてこうなった
あーーーー
文ストの世界に行きてーーーーーー
そんな事を考えながらいつも通り家に帰る
筈だった
視界がぐらぐらする
目の前が段々闇に包まれてゆく
其の言葉を最後に僕は気を失ってしまった
そうして今に至る
之はどう対処したものか…………
僕人見知りなんですけど…………
嘘だろ…………
目の前に太宰が居るから気がついてはいたが
今自分は文ストの世界に居ると云う訳だ
…………夢なら覚めとくれ
そう、全て本当の事だ
”嘘は”云っていない
元の世界に戻れる保証はない
かと云って戻らない保証もない
此の状況が一時的なものだとしても此の世の何処にも僕を知る人間なんて存在しない
……………でも
…………此の世界には僕を知る存在は誰一人いない
………なら、僕は僕として生きていいかな?
…………そうだな、僕は僕として少しだけ生きよう
演目『あなたの元の世界での苗字あなたの元の世界での下の名前』は終演だ
ありのままの僕を「あなたの名字あなた」と云おう
…………嗚呼、やってしまった
そう云う事か
半日かと聞かれた時に気付くべきだった
矢っ張り元の世界との時間のズレがあったか
別の世界から来たことをなるべく明かしたく無かったですが
疑われてしまった以上、其れが出来なくなってしまった
えぇ、判りますとも
然して貴方はこう問うことだろう
とね
こうなってしまっては話すしかない
さぁ太宰さん、貴方は僕の話を……………僕の事を
信じてくれますか?
さて…………之は吉と出るか………………それとも………
演じ癖、なかなか治らないな
え、何云ってんの此奴
本当何考えてんだこの人!!
えっ何だ此のニコライテンションの奴
………とりあえず
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。