皇帝side
LANたちにこの国の闇を明かしてから、1ヶ月程が経過した。
LANが将来この国を収めるに当たってアレは知らせておかなければならない事だった。
この国は豊かだが、腐っている。何百年も前からそうだ。
肥沃な土地で、本来ならば一公九民という非常に軽い税でも国が成り立つ我が国。
しかし、支配階級が欲を出した。
あの悪魔の機械があるのをいいことに気に入らない者は冤罪をかけて処刑し、国民を洗脳する、そんな悪魔の所業を繰り返した。
その結果、国民は税を搾り取られる傀儡と化した。
この国は、狂っている。腐っている。
そんなこと、俺が一番わかっている。
でも、どうしようも出来なかった。
貴族たちの反乱が怖かった。
変革によって俺に向けられる憎しみが恐ろしかった。
この地位を失う可能性が頭から離れなかった。
LANは違う。
仲間がいて、
意思を貫く強さを持っていて
国民のためなら平気で自己犠牲を行うようなバカ真面目だ。
LANたちは、革命を起こすつもりだろう。
俺だって、一度は行動を起こそうとしたさ。
でも、父上にバレて止められた。
俺は、申し訳なさを感じつつも、部下にとある指示を出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。