第40話

#10
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2022/12/04 11:00
「俺の彼女になってほしい」

え…時間が止まったように頭が働かなかった。
自分に都合のいい夢でも見ているのではないか。
及川くんがそんなこと言うはずない。

そんな感情が、頭をぐるぐると回っていて、
上手く言葉に出来ないし、声も出ない。

「ずっと、両想いだと思ってた、安心してた」

ポツリポツリと及川くんは言葉を紡いでいく。

「言わなくても分かってくれる。
あなたも俺のことが好きで、俺も○○が好き。
もう付き合ってるも同然だって。」

壁についていた手を離し、
私を優しく包み込む。

「でも、言わないと分からないし…
あなたはさっきの奴が好きなわけ?」

少し泣きそうになっているような声。
か細くて掠れてる。

「さっきの人とは、今日合コンで会っただけで…」

「はぁ!?合コン!?」

さっきのしんみりとした空気が嘘みたいに、
バッと私を抱きしめていた身体を離し、
大声で叫ぶ。

「なんでそんなとこ行ってるわけ!?
及川さん驚きなんだけど!?」

いつもの及川くんに戻ったみたいで、
少しほっとした。
この空気感が1番落ち着く。

「ねぇ、なんで笑ってるわけ?
俺怒ってるんだけど」

「んー…及川くんが好き」

ふふっと笑ってそう言えば、
一気に顔を赤くした。

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