side R
あなたに当たってしまった…。
なんで直ぐに謝らなかったんやろう。
そんな事を考えながら稽古場に向かっていた。
今年は次から次へと、舞台の出演が決まって、休む間もなく、稽古、本番と言う流れが続いていた。
前の舞台が千秋楽を終える前に、次の舞台の稽古が始まり、セリフも覚えなければいけない。
こんな経験はほとんど無くて、
自分にも余裕の無さを感じていた。
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マネ「龍太。携帯、前の現場に忘れてんで」
龍「え?あれ…ほんまや、」
稽古が終わって、マネージャーからそう告げられると、確かに携帯が無かった。
マネ「さっき文ちゃんから連絡あってん。あなたちゃんが部屋に届けといてくれるって」
龍「あ、ほんまに?」
それなら安心や、
と、稽古場を後にして家に帰った。
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家に着いて、
テーブルの上に携帯とメモが置かれていた。
【さっきは、
台本読んでる時にお邪魔してごめんなさい】
…そんな事ない。
俺が八つ当たりしてしまったばかりに、
あなたが責任を感じることやないのに…。
携帯を見るといくつかの通知。
今共演している女優さんからのメッセージ。
なんでか分からんけど、好意を持たれているようで、2人での食事をしようと、何度も誘われている。
共演者みんなで行くならともかく、2人で行くのは絶対に避けたくて、有耶無耶に断っていた。
だけど、
嫌な予感がした。
通知の時間は取材が終わって数十分後。
…あなたが、見ていたら、この文面だけで勘違いしてしまう気がする。
直ぐにでも、あなたに会わないといけない気がして、俺はそのまま家を飛び出した。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。