溢れてくる涙を止められず、
トイレに駆け込んで、1人涙を拭いた。
スタッフ「浜中さーん?撮影始まるので同行お願いしまーす」
『あ、はいっ。すぐ行きます、』
泣いたことがバレないように、
簡単に化粧を直して、スタジオに向かう。
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スタジオでは、
さっきの雰囲気とは全く違った、笑顔の龍太くん。
疲れを見せない、さすがアイドルやなぁって、
改めて感じさせられる。
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撮影が終わると、龍太くんは直ぐに舞台稽古に向かっていってしまった。
『…あ、携帯置いてってるやん、』
今はどの舞台で、どこの稽古場なのか…、
全くそんな話もしないから、場所も分からない。
『…なんも分からん、』
また涙が頬を伝った。
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ピコン
…通知音に思わず画面を見ると、
女の人からのメッセージが映される…。
見ちゃいけない。
ギュッと握りしめる手は震えていた。
ピコン
龍太くんが、忘れたことに気づいたかもしれないと、開いてみるけれど、さっきのメッセージの続きだったようで、心が抉られる気分だった。
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とりあえず、文ちゃんに龍太くんの忘れ物の事を相談して、文ちゃんから龍太くんのマネージャーさんに連絡を取ってもらった。
そのまま携帯は、龍太くんのお家に届けることに。
合鍵で龍太くんの部屋に入り、
そっと、机に画面を伏せて置いて、メモを書き残す。
✎︎____________
毎日お疲れ様。
取材現場に置き忘れてたよ。
さっきは、
台本読んでる時にお邪魔してごめんなさい。
次の舞台も頑張ってね。
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『…はぁ』
小さく溜息をついて、部屋をあとにした。
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自分の家に帰り、
なにも考えないように音楽を流す。
♪優しい人たちの 然り気無い誘いを
バツと大きく腕で書いた 少し笑った
心に穴が空くってこと 分かった気がした
妙にピッタリで また 少し笑った
流れてきたのはDREAMS COME TRUEの【すき】
…なんてタイムリーなんだろう。
歌詞に浸りながら、歌詞と同じように、
膝を抱えて、涙を流した。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!