視界の少し先に、煙の上がった建物が見える。
煙かがった建物に近づくほど、
胸の奥で音を立てる不安。
........
この道、なんだか見覚えがあるんだよな。
後にわかったことだが、
爆破された施設は、アルゴの研究施設だった。
アメリカが数十年前に来て、
組織のうちの一人を暗殺した施設は、
将来のアルゴの研究施設だったのだ。
アメリカとイギリスがこの施設と待雪草の関係性を見出し、訪れた時にはアルゴはもう....
数分後。私は爆発地にたどり着いた。
決してタラタラしていたわけじゃないし、
無駄なこともしなかったつもりだ。
でも、この世の中には
どう頑張っても、変えれないことだらけなんだよな。
アメリカは私に向かって謝罪をしてくる。
でも、1番謝らなくちゃ行けないのは私だ。
視界の端に、焼け焦げた遺体が映る。
あんなにヘラヘラしていたアルゴが、
こんな形で黙り込んでしまうとは。
アメリカによると、アルゴは何者かに襲われたらしい。
....おそらくだが敵はアルゴの薬品や研究結果を奪おうとしたのだろうな。
アルゴは変にプライドが高いから。
薬品を奪われるくらいなら、と自分ごと爆破したんだろう。
アメリカが気を使ってくる。
私が静かに頷くと、
外で待っているロシアとソ連の方へと向かっていた。
あいつのことだ、
きっとびびったー?とか言いながら、起き上がるんだろ。いい加減早くネタバラシしないと、私本気で怖気付くぞ....
罵倒しても、
いつもみたいに薬品の請求書を出してこない。
そこらに転がったまんま。
相手が求めていたのは、おそらくだがアルゴの研究結果と薬品。
研究なんて渡して、早く逃げてれば、
お前も助かってたのに。
なんで頭はいいくせしてそんなんも分からないんだよ。
あいつの白衣を持ち上げると、
ほろほろと崩れていく。燃えて炭になったんだから、当たり前か。
アルゴの近くにしゃがみこんで、
泣きそうになる。
約束でふと思い出す。
あいつは、生前最後に会った時。
アルゴが死んだら、
イツクたちの面倒を見るように私に頼んできた。
急いであちらこちらが焦げた研究室の奥へと進む。
あの日私はアルゴに鍵を受け取っていた。
「なんかあった時に開けろ」だと。
そういえばアルゴ最近切羽詰まっていたし。
近頃自分が死ぬことを察して、最後になにか私に託そうとしたのか.....?
研究室ごと爆破したのも、襲われた相手から何かを隠したかったから......?
あいつがご丁寧に鍵までかけて、保存するものだ。
きっとそんなものだろう。そう思っていた。
_________ガチャ
しかし、隠されていたのは、
金でも遺書でも無かった。
飛び出してきたのは、
アルゴが預かっていた子供だちだった。
ニコとミナが私の胸で泣く。
一人涙を目に貯めて私に聞いてきたのは、
イツクだった。
イツクは丸焦げになった施設を見て、
察したのだろう。
アルゴのやつ...あいつ全部こうなるって予測して
私に子供たちを託したんだな。
本当に侮れない。
アルゴを殺した犯人も。
絶対に突き止めてやる......
これが私にとっても。
私とアメリカ達にとっても、大きなターニングポイントとなるとは誰も思っていなかった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。