第22話

何かを得るためには
76
2024/04/20 13:27

ほとけside

ぼくは今びょういんにいます
If.
ほら、起きろー
Hotoke.
んぅ゙…
かんしカメラがついたおへやで

きまった時間におこされて
If.
ほら、朝ごはん
食べ終わったら呼んでニコッ
きまった時間にごはんをたべる

今日の先生はへんなえがおつくってるから

ちょっといやだ
Hotoke.
はーい
食べおわったら先生をよんでクスリをのむ
If.
薬のんでな
Hotoke.
ゴクッ
If.
はい口開けてー
のんだら口をあけないといけないんだ

ちゃんと飲んだか かくにんするためにね
でもぼくはニガいからのみたくない
Hotoke.
あー
前ばと上くちびるの間にはさんだらバレないんだ



ここまではいいの、ごはんもおいしいし
先生もやさしいし
でもね、ぼくがちょっとあばれちゃったり
べつ人かくの子?が出てきたあとは
Hotoke.
ん…
If.
お、おはよ
If.
今はほとけか?
Hotoke.
うん、
体をしばられちゃう
ぼくは動けないのがいやだからこれが大っきらい
Hotoke.
これはずして?
If.
はいはい
If.
あ、もうすぐおやつやでニコッ
Hotoke.
…そのえがおきらい
ぼくはつい言っちゃったの
If.
そっかぁ…ごめんな
Hotoke.
なんでへんなえがおするの?
If.
…笑えんくなったから、かな
そしたら先生が泣きそうになっちゃった
Hotoke.
大じょうぶ?
えがお、おしえてあげよっか?
ぼくのとくぎは作りえがおだから
ちょっとでも先生のためになれたらなっておもった
If.
ッ…大丈夫、!
If.
あ、お前ちゃんと薬飲まんとこっから出れんぞ〜?
Hotoke.
え゙、やだ
いふ先生ははなしをそらした
「そらす」って言葉は
りうちゃんにおしえてもらったんだ!
あとね先生にはなんでもお見とおしなの
If.
俺戻るけどアニキ来るからな
Hotoke.
やったー!
If.
おやつも持って来てくれるはずやで〜
ガラガラ

先生が出ていって1人になった
ちょっとすれば別の先生が来るけど
それまでの間しずかになっちゃうからさみしい
コンコン
だれかがドアをたたいた
Hotoke.
はーい
ガラガラ
Liura.
ほとけっち!!
りうちゃんがあわてておへやに入ってきた
Hotoke.
とーしたの?
Liura.
ちょっとかくまって
Hotoke.
かくまうって何?
Liura.
んー、ここに隠れさせてって意味!
Hotoke.
へー!
りうちゃんはなんでも知ってるしなんでもできる
ぼくとはちがう、すごい人
Hotoke.
あ、でももうすぐアニキ来るよ
Liura.
え…まぁアニキなら良いや
Hotoke.
そういえば今日初兎ちゃん見てないね
Liura.
俺は見たよ?アニキに連れてかれてた
Hotoke.
なんかしたのかな
Liura.
そーなんじゃない?
コンコン
Hotoke.
はーい
Hotoke.
アニキ来たかも、!
Liura.
おやつかな?
ガラガラ
Yusuke.
やほー
Yusuke.
おやつ持ってきたでー
いふ先生とりうちゃんが言ったとおり

アニキはおやつを持ってきた
Hotoke.
やったー!
Liura.
今日はなに?!
ぼくはこの時間が大好き
みんながうれしそうだから
Yusuke.
クッキーやで
Liura.
りうら手洗ってくる!
Hotoke.
ここで洗えばいいのに
Liura.
いいの!
りうちゃんはこだわり?があるから

べつのおへやにあるりうちゃんの石けんで洗ってる
ガラガラ
Liura.
あ゙
Naiko.
やっほー
部屋を出たらすぐそこでないちゃんが手を振ってた
Naiko.
手当しよっか
りうちゃん、リスカでもしたのかな
Liura.
チェッ、
Naiko.
舌打ちしてもダメー
ちょっとそでに血がついてたし
Liura.
またね、ほとけっち
Hotoke.
またねー!
ガラガラ
Yusuke.
おやつ食おうや
Hotoke.
…これ、いふ先生にあげる
ぼくも食べたいけど

それよりいふ先生に元気になってほしいから
Yusuke.
なんで?
Hotoke.
なんか、元気なかった
そう、今日のいふ先生はへんだった

えがおもヘタクソだったし
Yusuke.
んじゃ、残ってるの半分こして
ほとけの分をまろにあげよっか
Hotoke.
うん!
おやつをたべたあと、アニキといっしょに
いふ先生にクッキーをあげに行くことにした
かみんしつの前を通るときにだれかの声がした
If.
ハァ、ハァ、うあ゙ッ、グスッ
それがいふ先生だって分かったからドアを開けた
Hotoke.
だいじょうb(
If.
ガバッ ハァ…ハァポロポロ
そしたら急におきあがってないちゃった
Hotoke.
だいじょうぶ?
If.
あ、あぁ…ぁ
いふ先生はどこを見てるか分からなくてこわい
Yusuke.
ほとけ、りうらのとこ行ってき?
ないこもおるで
Hotoke.
い、行ってくる
そう言ったけど気になってドアに耳をつけて聞いた
If.
ハァフゥッ…ハァ
Yusuke.
どうした?
If.
またや、また呼ばれた
If.
もういややッ…
If.
必要とされるんはこの身体だけッポロ…
If.
おれ自身はどうでもいいんやろ、?ポロ
どこに戻りたくないんだろう…
Yusuke.
そんな奴もう居らん、
If.
それにッ、えがおへたになっちゃった
ぼくがあんなこと言っちゃったからかな
Yusuke.
下手やない、まろの笑顔好きやで
If.
おれ、ちゃんとやれてる?
Yusuke.
おん、とりあえず今日は休み?
If.
でも…分かった、ごめん
Yusuke.
ごめんやなくて、
If.
あ、りがとう
僕はアニキにバレる前に

りうちゃんのおへやに走った
コンコン
Hotoke.
りーうちゃん
Liura.
はぁーい
ガラガラ
Hotoke.
あ!初兎ちゃんもいる!
Sho.
久しぶりやな
Hotoke.
あれ、ないちゃんは?
Sho.
すれ違わんかった?
さっき出て行ったで?
Hotoke.
まわり見てなかったかも、w
いふ先生のこと考えてたから
たぶん話しかけられてたとしても気づいてない
Liura.
なにかあった?
Hotoke.
いふ先生が元気ないなって思って…
Sho.
たしかに、朝も暗かった
コンコン
3人でなにのせいか考えてたらドアがノックされた
Liura.
はーい
ガラガラ
If.
やっほー、ニコ
入ってきたのはいふ先生だった
Hotoke.
どーしたの?
If.
ん?顔見にきただけ、会えんなるから
Sho.
え、どこ行くん?
If.
ないしょーニコじゃあな
ガラガラ
いふ先生はそう言って部屋を出ていってしまった
Sho.
へんやなかった、?
Liura.
ね…
Hotoke.
ぼく、おいかけてくる!!
しまったばかりのドアをあけて
いふ先生をおいかけた
いふ先生は歩くのがはやいからとおくまで行ってた


忌夢side
階段の近くでやっと追いついた
忌夢
ッハァ、ハァどこ行くんだよッ
If.
んー?忌夢か
If.
今日は暴れんのや
忌夢
だって、ほとけが…
If.
ほとけが、?
忌夢
お前の事止めろって言うから、
忌夢
「ぼくあたまわるいからできない」って
ほとけが自虐をする所本当に腹が立つ
If.
…実家帰るだけやで
忌夢
嘘だろ?知ってる
If.
忌夢には家族おらんって言っとったか
If.
…あいつらに情けない所見せれんから病室に引きこもるだけや。
忌夢
ならいいけど…
病室って、どっか悪いのか?
If.
どこも悪くないで、ないこらが仮眠室使えんなるのダメやろ
忌夢
なんだ、
If.
珍しいやん、心配するなんて
忌夢
死んでほしくないから…
If.
へぇー、あんな暴力暴言吐きよったんにそんな事思ってくれてるんや
忌夢
ほとけの為だから。勘違いすんなよ
本当はほとけの為じゃなくとも生きてて欲しいけど
忌夢
戻るわ、疲れた
If.
お疲れ様







ほとけside
Hotoke.
あ、いふ先生
Hotoke.
あれ、なんでぼくここにいるの
If.
忌夢が出てきとったで
If.
しかも暴れんかった
Hotoke.
…?
Hotoke.
あ、!かわってって言ったんだった
Hotoke.
はじめて言うこと聞いてくれたかもw
忌夢に「元気でいろ」
って言われたからできるだけあかるく話す
If.
よかったやん、じゃあまたな
Hotoke.
ギュッ あいにーどゆー!
忌夢がこうやって言えってさ
If.
ッポロポロ
そしたら先生がないちゃった
まちがえちゃったのかな、
そのまま先生はかいだんで下にいっちゃった
いふ先生のことをつたえるために

りうちゃんのおへやにもどった
Hotoke.
りうちゃーん、初兎ちゃん
Liura.
あ、おかえりー
Sho.
おかえりー
Sho.
どうやった?
Hotoke.
えっとね、
ぼくは忌夢に聞いたことをぜんぶつたえた








Sho.
へー…
病院から出んのやったら会えるやん
Liura.
…でも会わない方が良いんじゃない?
なんでかは分かんないけど、
りうちゃんが言うのなら会わない方が良いのかな
Hotoke.
じゃあやめとこ?初兎ちゃん
Sho.
そうやな
いふ先生のことをかんがえてたら
りうちゃんに聞きたいことをおもいだした
Hotoke.
りうちゃん!
「あいにーどゆー」って何?
Hotoke.
言ったらいふ先生ないちゃったんだけど…
Liura.
たしか「あなたが必要です」って意味
Sho.
じゃあ、嬉し泣きやない?
Hotoke.
そっかぁ!じゃあよかった
うれしくてないちゃうい味は分からないけど
ちょっとでも元気になってくれたのならいいや


いふ先生がいなかった1週間いろんなことがあった
まず、りうちゃんにおべん強を教えてもらった
読み書きができる漢字がふえたんだ
でも、いふ先生が居なくてちょっと寂しかった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Naiko.
ほとけっち起きてー
Hotoke.
んぅ、
朝起こしてくれるのがいふ先生じゃなくて
Yusuke.
はい、口開けてー
Hotoke.
あー
Yusuke.
やっぱり隠しとるやんw
Yusuke.
ほら、これで飲んでみ?
Hotoke.
ジュース、?
Yusuke.
そう、これやったら苦くないで
Hotoke.
ゴクッ ほんとだ…!
薬を飲んだか確認するのがいふ先生じゃなくて
忌夢
はぁ、
Naiko.
あ、忌夢じゃん!久しぶり〜
忌夢
テクテク
Naiko.
どこ行くのー?
忌夢
いふの所
Naiko.
もうすぐ帰ってくるから、ね?
忌夢
じゃあいいや、戻る
Naiko.
はーい


Hotoke.
ん…?
Naiko.
起きた?おはよー
Hotoke.
忌夢出てきてたの?
Naiko.
うん、久しぶりに会ったかも
Naiko.
しかも素直になってた
Hotoke.
いふ先生のおかげだね!
Naiko.
それまろに言ったげな!ぜったい喜ぶ
忌夢から戻った時、

そばにいるのがいふ先生じゃない

忌夢もいふ先生がいなくてつまんないって言ってた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
でも!今日はいふ先生が帰ってくる日
Hotoke.
♪:*°
だから、部屋でいふ先生を待ってた
カギをかけられちゃったから探しにはいけないんだ

ワクワクして部屋の中を歩いてたら
忌夢が頭の中で話しかけてきた
忌夢
なんか、嫌な予感する
Hotoke.
縁起悪いこと言わないでよー
Hotoke.
今日いふ先生帰ってくるんだよ?
忌夢
それはゴメンだけどさ。
本当にダメなことが起こる気がして不安になった
Hotoke.
部屋から出たい
忌夢
俺に言われても困る
Hotoke.
てかさ、なんでぼく入院してるの?
今思えばこの病院に入った時の記憶が無い
忌夢
俺が連れてきた、お前やばかったから
Hotoke.
そーなんだ、なにがあったの?
忌夢
えっと、

ガラガラ
忌夢が過去の話を言いかけた瞬間ドアが開いた
If.
ほとけー
Hotoke.
いふ先生!!!
久しぶりに会って、うれしくて
先生に飛びついた
If.
うぉっ、w
Hotoke.
おかえり!
If.
ただいまぁギュー
いふ先生はちゃんと笑ってた
Hotoke.
ちゃんと笑ってる!
If.
うれしいか?
Hotoke.
うん!

その後この1週間のことを全部伝えた
いふ先生はずっと笑顔で聞いてくれた
If.
ほとけ早く治して一緒に外出ような!
Hotoke.
ぼくみんなで遊園地行きたい!


3ヶ月後みんなの病気が治ったというか
入院しなくていい程度になった
だからみんなで遊園地も行けて嬉しかった
でも、忌夢が消えちゃった
いふ先生に言ったら
「仕方ないけどこれが正解なんやで」
って言ってた。



「なにかを手に入れるには何かを失う」
僕の場合幸せを手に入れて忌夢を失っちゃった


















十数年後
Hotoke.
久しぶりだね
Liura.
だね
Sho.
懐かしいなぁ
僕ら3人は退院後勉強を頑張って精神科医になった
それでこの病院に戻ってきたってわけ
Hotoke.
開けるよ
Sho.
コクッ
Liura.
うん
ガチャッ

パァン パァン パァン
とびらを開けた瞬間3つのクラッカー音が鳴った
Hotoke.
うわっ
Liura.
びっっくりしたぁ
Sho.
うおっ



Naiko.
せーの
Naiko.
おかえりー!
If.
おかえり〜
Yusuke.
おかえり!

僕達を助けてくれた3人は
見た目はちょっと変わったけど中身は変わってない
Liura.
ただいまー
Sho.
ただいまー
Hotoke.
ただいまー!!
すぐにそれぞれが自分の先生の近くに行く
Hotoke.
いふ先生、!
If.
久しぶりやなぁ
Hotoke.
ちょっと老けたねwおっさんじゃん
If.
うるせぇよw、お前は背低いなぁ?
Hotoke.
ほぼ変わんないじゃん!!
みんなが口々に話していると扉が開いた
忌夢
たすけて…
入ってきたその子は忌夢に似ていた
Naiko.
どーしたの?
ないちゃんが先陣を切って話しかける
忌夢
ペチッ
でも、叩かれちゃった
その子は僕の元に走って足にしがみついた
忌夢
ギュッ
Hotoke.
ぅえ?
If.
ほとけ気に入られたやん
Hotoke.
こんにちは!
しゃがんで目線を合わせる
Hotoke.
お名前は?
忌夢
忌夢
Hotoke.
いい名前だね、久しぶり
忌夢
…?
忌夢はきょとんとしてたけど
ぼくはその子が別人格の忌夢にしか見えない
忌夢
久しぶり、?
Hotoke.
んーん!なんでもない!
Hotoke.
お腹すいてない?ごはん食べようよ
忌夢
食べる


僕は、何も失わず幸せを手に入れたのかもしれない

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