第101話

蜜月旅行 ⑧
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2026/05/23 12:00 更新

藍にビンタされて、まぁまぁ痛かった

それから今度は部屋に籠城してしまった

どうにかして謝って、許してもらえるように
俺はご機嫌 取りをし始めた

永露さんのアドバイスをもらい

山荘 限定のラウンジでセルフサービスで提供されている
アイスクリームとジュースを持って帰ってきた
健人
ら、藍は…
永露
まだ部屋にいるよ
小川
けどなんか電話してるっぽいぞ?

電話?

珍しい…

終わるまで待っていようと思ったら
突如として藍の大きな声が聞こえてきた
べ、別に誰とだっていいでしょ…!!

3人で顔を見合せて

先輩2人はサッと襖の前に近くに寄った

聞き耳を立てるのはあんまり良くないんだけど…
流石に気になるので俺もそれに倣った
とにかく、今年は実家には帰らないから…!
多分…来年も……
『どうして…』
『藍、今どこに居るんだ』
『それだけは教えてくれ!』
…言わない
『藍…!』
しつこい…!
もう切るよ!
『待って待って!』

もう一度、3人で顔を見合せた
小川
塁の声じゃん…何してんだ?
永露
…お兄さんとの会話を聞いてる感じだと結構 大事にされてるっぽいね
小川
知らねぇの?塁って重度のブラコンだぞ
健人
ぶらこん…?
永露
弟 大好きって意味ね、

なるほど…

確かに恋人の俺ですら『可愛い』と思いまくってるんだから

歳の近い兄からしたら
人懐っこくて、明るくて…可愛い弟なんだろうな
『お兄ちゃんは心配だよ、何かあったらどうすればいいんだ…!』
何もないし!
子ども扱いしないでよ!
それに…1人じゃないから……
『やっぱり1人じゃないんかい!』
『誰!?誰といるん!?』
言わんって言ってるやろ!

おぉ…関西弁だ

藍、俺の前だとあんまり使ってくれないんだよね…
なんでだろう…
小川
健人…塁に挨拶するとき大変じゃね?
永露
あぁ…あの感じだとね…
永露
門前払いされそうだよね
小川
『うちの弟はやらん!!』とか言いそう
健人
そんな…
永露
健人が彼氏とか大当たり中の大当たりなのに…

藍からお兄さんを紹介してもらったら
丁寧に、失礼のないように真摯に挨拶をするつもりなのに…

どうしたら認めてもらえるんだろう…


と本気で悩み始めた時、更に大きな声が聞こえてきた

…ヒートアップしてきたのかも
健人
流石に止めてきた方がいいですよね…
永露
でもバレちゃわない?藍がうっかりしてさぁ…

分かる…

名前とか普通に呼びそう…
小川
バレたらその時はその時だ
小川
うるせぇから行ってこい!
健人
…分かりました

意味はないだろうけど少しだけ身なりを整えてから

静かに声をかけた
健人
藍…
け、…みっ……

健人さん、宮浦さん

の言葉を飲み込んだのが分かった


これ…勘のいい人なら分かっちゃうよね…
『け、み…?』
『M、K…K、M…』
『み、宮浦…健人……!!』

ダメだった、即バレした

しかもなんか敵意 剥き出しじゃない…?
気のせい?

あとすぐに気付くほどお兄さんにとって俺は要注意人物として警戒されてたのかな…

なんで…?
『今、宮浦健人と一緒なのか!?』
そ、そうだよ…!
悪い!?
おれ、健人さんとお付き合いしてるの!!
『!?!?』

液晶越しでも分かる

お兄さん…あまりの衝撃に言葉を失ってる…
今は健人さんと温泉旅行に来てるの!
だから邪魔しないで!
『お、オツキアイ…』
『オンセンリョコウ…』
ねぇ!健人さん!!
健人
あぁ…うん、
健人さぁ〜ん♡

藍が俺に飛びついてきて
咄嗟に受け止めた

それから甘えるように擦り寄ってきた

お兄さんに俺を反対?された反骨精神なのかも…


よしよし、とあやしながら藍のスマホを貸してもらって
恐る恐る話しかけた
健人
あの、初めまして…髙橋塁く…さん、
健人
弟の藍くんと交際している宮浦健人と申します…
健人
その……
『み、み…』

『み?』と不思議に思って耳を離して画面を見た

それのお陰で助かった
『絶対に認めない!!!!』

直後に絶叫といえる程の声量で叫ばれた

多分あのままだったら鼓膜が破れてた
認めてもらえなくてもいいし!
塁のばかっ!!
『お兄ちゃんに向かって何てことを言うんだ…!』
『オレは藍のことを心配して…!』

そこからまたヒートアップして

兄弟喧嘩がまた始まった


どうしよう…

藍が俺に抱きつきながら
俺が持っているスマホに向かって怒っているし
お兄さんも負けじと言い返している


永露さんと小川さんに助けを求めるように振り返ると
爆笑している2人が目に入った


……しばらくこのままだな、と諦めた

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