次の日、何週間かぶりに制服の袖を通した。
なんだか久しぶりのその感じに違和感を覚えつつも気持ちがワクワクした。
ピンポーンとなったチャイム、扉を開ければマイキーがいて
マイキー「あれ、早く来すぎちゃったかな笑」
なんて笑っていた。今までドラケンに起こされてから彼の一日が始まっていたのに対して、これは成長し始めていることの予兆に思えた。
マイキー「この時間だとちょっと遅刻気味みてぇだし、飛ばすな」
なんて言い出して、なにか準備を始めている彼に
『な、何してるの……?』
そう聞いてみるとにこっと笑い
マイキー「ほら、乗れよ」
なんて言って私にヘルメットを渡してきた。
『ちょ、ちょっと!学校にバイクだなんて絶対おこられr……』
私が言い終わる前に
マイキー「いいから、いいから〜」
そう言って私を強制的にバイクの後ろに乗せるとすごいスピードでバイクを走らせた。
叫んでいる暇もないくらい速いバイクと少しその風に吹かれて香るマイキーのシャンプーの匂い。
それはまるで、青春の一コマのように輝いていた______
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。