第2話

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2021/10/15 09:07 更新




スタッフさんたちにお疲れ様でしたと声をかけ、ヨンジュンと共にスタジオを出る。




今日は随分早くスケジュールが終わり、いつもの三時間は早く終わった。




それでも六時だけど俺にとっての三時間はかなりでかい。三時間あれば映画一本は見れるし、最近ハマってるゲームもかなり進められるし。




ここ最近はあまりの忙しさに携帯を見る機会が少なくなってて、仕事終わりのやっと見れる時間に可愛い可愛い妹からメールを確認するのが癒し。




毎日仕事が終わる前までには"オッパ!今日もお疲れ様!"って語尾になんでかわかんないけどカエルのマークついてる可愛い。




今日は家に来てるみたいで、部屋の片付けと洗濯機を回してくれたと。




お夕飯作っておくから家に着いたらゆっくり食べてね!なんていい子過ぎるメッセージでカトクが終わってる。




...正直俺シスコンだよな、これ。正直もクソもねぇけどさ。




紳士な兄を演じたメッセージを送り返して、携帯を見てニヤニヤしている俺に非道にも明日の過密スケジュールを事細かく伝えているヨンジュニ。




毎回口頭で言われても覚えられないと言ってるのにとりあえず聞け。の一言で家に着くまでずっとぶつぶつと言われて。




今日もいつもと同じように最後までなんの雑誌の撮影が〜とか聞かされ続けてマンションの玄関前へ。




あなた
あざした〜
ヨンジュン
ヨンジュン
じゃ、後で明日のスケジュール送るから。ちゃんと見ろよ
あなた
どうせ後で送るなら車の中でぶつぶつ言わなくていいじゃん
ヨンジュン
ヨンジュン
内容整理だよ。文句言うならスケジュール帳の一つや二つ持ってからにしろ
あなた
ふたつも使わないだろ...
ヨンジュン
ヨンジュン
いいから早く帰れよ笑 明日も朝早くから仕事だから
あなた
はいはい笑 じゃ、お疲れ




相変わらず辛辣気味なヨンジュニを見送って、相変わらず長いエレベーターに乗り込んで。




少しずつ増えている数字を見つめながらふと思い出すのは家政婦のこと。




割と本気で頼んだ方がいいんじゃね...なんかこれからまた忙しくなるみたいなこと言ってたし




やべえな俺...その辺で野垂れ死んでそうだな




カレンダーのアイコンをタップすればずらずらと目に入るスケジュール。




三年前はただの下っ端アナウンサーだったのになぁ...




突然襲ってきた感傷的な気分に一人で頷きながら、エレベーターから降りて自宅の目の前へ。




当然のように鍵を取り出し鍵穴へ突き刺す。と同時にいつもとは何かが違う違和感。




...ミンジュに限って鍵をかけ忘れるなんて事は無い。ないに決まってる。




それなのになんで何度ひねっても音がしない?スカスカと言う音は聞こえても鍵が開く音がしない。




不審者...?いや、もしかしたらミンジュがまだきてる?




恐る恐る重厚なその扉を開くと、目の前には俺が脱ぎ散らかしていたはずの靴は綺麗に並べられていて。




倒れていた観葉植物は丁寧に角へ寄せられ、零れていた土も全てが綺麗に元通り。




...ただ、俺の目に移る光景にはたった一つだけ普段とは違う何かがあった。




どこが違うかははっきりとは分からないけど...何かが変。ほんとに些細な何かが変。




よく分からないむず痒いほど小さな違和感に頭を悩ませていると、廊下の先からは聞いたことの無い声のおかえり〜が聞こえる。




...誰だよおい。
























チェウォンside___




ミンジュ
ミンジュ
ん〜〜っ...終わったぁ...!
ミンジュ
ミンジュ
オンニ、いつもありがとうございます!
チェウォン
チェウォン
いえいえ、私こそ毎回お邪魔しちゃってごめんね?
ミンジュ
ミンジュ
オッパには言ってないですから大丈夫ですよ笑
チェウォン
チェウォン
えっ...大丈夫なの?
ミンジュ
ミンジュ
...オッパなら許してくれると思います
チェウォン
チェウォン
そっか...笑 なんか今日は前より荒れてたね?
ミンジュ
ミンジュ
そうですね...忙しいんだと思います、ここ最近カトクの返信も遅いですから
チェウォン
チェウォン
へぇ〜...あ、そういえばさ。ミンジュのお兄さんって何の仕事してるの?
ミンジュ
ミンジュ
一応アナウンサーしてますよ、それ以外にも色々してるらしいです
チェウォン
チェウォン
ふ〜ん...それめちゃくちゃ忙しくない?
ミンジュ
ミンジュ
そうなんです。だから少しでも助けてあげられたらなって思って...
チェウォン
チェウォン
偉すぎるね...私の妹に欲しいくらい笑
ミンジュ
ミンジュ
オンニは自分でなんでも出来るじゃないですか笑
チェウォン
チェウォン
何でもは出来ないけど...ミンジュみたいな可愛い妹さんならお兄さんも幸せだねぇ
ミンジュ
ミンジュ
そう...ならいいんですけど笑




そんなことを話していると突然ミンジュが立ち上がってちょっと休憩にしましょうか、と言ってコンビニへ行くらしい。




家を空けたままには出来ないからとミンジュに留守番を頼まれそのままソファへ。




玄関で靴を履きながらゆっくりしててくださいね〜なんて、ミンジュの家じゃないのにどこか家主感のある言葉を残して扉を出て行った。




気付けば無意識に深呼吸をして、大好きな香りを胸いっぱいに取り込めば自然と心身共に落ち着いてくる。




変態かな〜...笑 ミンジュもいい匂いするけど、ここの匂いとはなんか違うんだよね




爽やかだけどなんか鼻に残るっていうか中毒性があるというか...難しいな笑




ミンジュのお兄さんから仕事依頼されないかな〜......




ゆっくりしてて、なんて言われなくても気付いたら身体から力が抜けていて、




しばらくぼーっとしていると突然玄関の方から音がする。




ミンジュが帰ってきたのかなとも思ったけど、なんだか困っているのか2、3回鍵をガチャガチャしてから扉の開く音がする。




...とりあえずおかえりって言ってみる?




しばらく時間が経っても未だに玄関に立っている様子のミンジュだと思われる人に普通を装っておかえり、と声をかけるも返事はない。




どうしたんだろ...ミンジュが無視するなんてことそうそうないと思うんだけどな





























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