第2話

隣のクラス
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2026/02/01 13:57 更新







二年生の教室は、昼になると一気に騒がしくなる。




「今日の数学やばくない?」



「先生、途中から何言ってるか分かんなかった」




そんな声を聞き流しながら、私は席でノートを閉じた。


隣のクラスに、生徒会長がいる。
それを意識したのは、生徒会に入ってからだった。






























昼休み。
廊下に出ると、ちょうど向かいの教室の扉が開く。




「ハンビン!一緒に食べよー」



「今日もかっこいいんだけど」




そんな声に混じって、見慣れた姿が現れる。
ハンビン会長。
制服はきっちり着ていて、シャツの襟も乱れていない。
誰かに話しかけられれば、足を止めて、ちゃんと相手の目を見る。




Hanbin「ごめん、今日は生徒会の資料作らないと」



「えー、真面目すぎ」



「あとで来てよ」



Hanbin「時間あったらね」




やんわり断って、でも角は立てない。
……やっぱり、中心にいる人だ。



そのまま歩いていく彼と、廊下ですれ違う。
一瞬、視線が合う。




Hanbin「あ、あなたちゃん」



「……こんにちは、ハンビン会長」



Hanbin「今から昼?」



「はい」



Hanbin「生徒会、午後からだよね」



「はい、放課後です」



Hanbin「そっか。無理しないでねㅎ」




それだけ。
それだけなのに、なぜか会話が残る。




Hanbin「じゃ、またあとで」



「はい」




彼は手を軽く振って、階段の方へ向かっていった。
……“またあとで”。
その言葉が、少しだけ引っかかった。




























放課後、生徒会室。




mob「今日の議事録、もうできてる?」




副会長の声に答える前に、扉が開く。




Hanbin「お疲れ」



「お疲れさまです」



Hanbin「早いね」



「コピーがあったので」



Hanbin「助かる」




机にカバンを置きながら、彼はこちらを見る。




Hanbin「昼、廊下で会ったね」



「……はい」



Hanbin「隣のクラスだと、意外と会わないからさ」



「そうですね」



Hanbin「生徒会入るまで、顔知ってた?」




一瞬、言葉に詰まる。




「……存在は」



Hanbin「正直だね」




くすっと笑う。




Hanbin「俺は、あなたちゃんのこと知ってたよ」



「え?」



Hanbin「静かだけど、仕事ちゃんとする人」




褒められていると分かっても、どう反応していいか分からない。




「……ありがとうございます」



Hanbin「その反応、毎回同じ」



「すみません」



Hanbin「謝らなくていいからㅎ」




声は柔らかい。
でも、距離はちゃんと保たれている。




Hanbin「じゃ、今日も始めよっか」



「はい」




いつも通りの生徒会、いつも通りの役割なのに。


ペンを走らせながら、ふと、さっきの言葉が頭をよぎる。
――知ってた。


私が彼を知っていたように、彼も、私を見ていた。
それだけのことなのに、なぜか、少しだけ胸がざわついた。








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