放課後。
みれい「あなたー!帰ろー!!」
教室の後ろから全力の声。
みれい「クレープ!クレープ!」
あなた「声でかいって!」
荷物まとめて立ち上がる。
そのとき。
じんと「……帰るの」
低い声。
振り向くと、席からこっち見てる。
あなた「うん」
じんと「誰と」
あなた「みれいと」
じんとくん、少しだけ視線をみれいに向ける。
みれいは気づいてない。
じんと「どこ」
短い。
あなた「駅前。クレープ食べるだけだよ」
沈黙。
じんと「ふーん」
それだけ。
でも。
目が、離れない。
みれい「あなたー?置いてくよー?」
あなた「今行く!」
一歩踏み出した瞬間。
じんと「……何時」
あなた「え?」
じんと「帰る時間」
なんで聞くの。
あなた「わかんないけど、そんな遅くならないよ」
じんと「そ」
机から立ち上がる。
ゆっくり近づいてくる。
距離、近い。
じんと「暗くなる前に帰れ」
あなた「心配してるの?」
じんと「別に」
即答。
でも、
あなたの手首、軽く掴む。
じん「連絡くらい見ろ」
あなた「え?」
じんと「……なんでもない」
すぐ離れる。
みれい「え、なに今の」
じんとくん、もう背中向けてる。
みれい小声。
みれい「え、え、え、なにあれ」
あなた「なにって…」
みれい「絶対なんかあるやん」
顔近い。
みれい「じんとさ、あんな喋る人だっけ?」
あなた、言葉詰まる。
たしかに。
さっきのじんとくんは、
ちょっと違った。
みれい「青春の匂いするわー」
あなた「ちがうって!」
でも。
教室を出る直前。
もう一度だけ振り返ると、
じんとくんがこっち見てた。
目、逸らさない。
静か。
でも確実に、
“行かせたくない”顔してる。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。