これは、とある巫女ととある霊媒師による恋物語。
わたくしは、芸術家を殺した。
わたくしは、おしおきされた。
わたくしは、死んだ。
〈弾丸学園〉
なんだか…懐かしく感じる。
わたくしは、この人に会ったのは初めての筈なのに。
この人に似た、誰かに…恋心のような何かを…抱いていたのかもしれない。
なんでだろう。
この人といたら、不思議と今までにあった嫌なことが何も苦しくなく感じる。
むしろ、この人といて楽しいような…
そんな気分すら味わえる。
浅葱様と行うことになったのは、現実世界と並行して行う書類分け。
なんでも、ここはわたくしたちが生きていられる唯一の空間。
ここでの死というのは、植物状態になるみたいな、そんな風なことを示唆するらしい。
それから守るために、わたくしたち幻界中学校の同級生たちは仮想空間に強制ログインして、
身を寄せたと言うことらしい。
浅葱様からの話だから、掻い摘み過ぎていてよく分かっていないが。
言われた書類といえば、わたくしの身長では遠く及ばないところにあって。
脚立なんかを持ってこなければ、無理なほどだった。
自分でも、赤面してるのがわかる。
顔がこれほどないまでに火照って、身体からも変な汗が出てくる。
その言葉通り、浅葱様はわたくしが怪我しないようにするためか、
とても丁寧に下ろしてくれる。
下ろしてもらったのはいいが、それと同時に肩車してもらったって言う事実が頭の中に入ってしまい、
軽くパニックを起こしている。
呼んだ。完全に呼んだ。
普段なら誰に対しても苗字呼びだし、誰に対しても敬語対応なのに、
生まれて初めてくん付けなんてしたような気がする…
これでもかと言うほど爽やかな笑顔でそう告げる。
そう言われると、なんだか…斑くんって言わなければ可哀想に思えてくる。
また、赤面してる。
わたくし、この人の手のひらの上で転がされてる気がする…
まただ。
この人と一緒にいたら、自分が自分でなくなるけど…
それもそれで楽しいような、なんだか…
『恋』してる…のかな?
……
…………
…………………………
…そんなの…ひどいよ。
わたくしが答えれるのなんて…
なんだか、前からこの人のことが好きだった気がするけど、
いつなのかは分からない。
だけど、この恋は、いつまでも冷めない恋なんじゃないかな…?













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。