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練習室の天井に、目が覚めた。
狭いソファからよく落ちなかったと思いながら、遠くの方でするシューズの音を聞く。
いつのまにかお腹に掛けられていたチャニのジャケットを肩まで手繰り寄せると、再び目を閉じた。
暖かいと思った。
でもやっぱり、1人だと感じた。
無くなった重みに見上げると、その手には僕の体温が残ったジャケットが握りしめられていて、
リノヒョンは見向きもせずにそれを床に投げ捨てると、猫の絵がでかでかと描かれたブランケットでご丁寧に僕の顔まで覆った。
よくヒョンが車の中で仮眠をとるとき使っていたものだった。
顔にかかった部分だけ剥ぎ取って睨みつけたけど、寝起きで瞼は半分も開かなくて、ヒョンの目が優しくなるだけだった。
僕の頭側の空いたスペースに座ると、ヒョンの指が僕の髪の毛をすく。
いつもは、特に人がいるときならすぐに、手を引っ込めるのに、今日は目が合ってもそのままだった。
首を横に振る。
ヒョンが軽く笑っただけのに、自分まで嬉しくなって、
長く見つめすぎたのか、髪を撫でる手が止まる。
口角が上がるのを隠さないまま、再び目を閉じる前に頷いた。
今はもう、動揺でそわそわしなくなったのは少し惜しいけど、赤くなる耳はそのままだった。
可笑しいくらい声が優しくて、怒ってるように聞こえないから、
夜の電話も、出ないとは一言も言わないから、
寄っただけと言ったのに、帰る気配すらないから、
「俺も好きだよ」
なんて言葉すら薄っぺらく感じて、
意図してるかは分からないけど、僕が好きだって、こんなに明らかなヒョンなのに、
これが足りないなんて、思うことがあるだろうか?
疑いもしなかった。
ヒョンがいるだけで、欲しいもの全部満たしてくれた。
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悪夢だと思った。
皮肉なくらい暖かい夢は、急激に虚しさまで冷めていって、
身体を包むのは、「成人男性には痛い」といじったこともある猫のブランケットなんかじゃなく、自分のベッドの布団だった。
3:21
時計とまだ暗い外にため息をついて、ベッドを出る。
顔を洗いに洗面所に行くと、赤くなった目にぎょっとした。
乾いた涙を拭うと、全部情けなくて、ヒョンには怒ってるのに同時に申し訳なくて、でも何も伝えられないから、弱々しく笑った。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!