第80話

155話
33
2026/02/12 14:13 更新
蕾音視点
少し、思い出してしまったのではないかと、不安にかられる
前、祢湖さんと、穂翔花が喧嘩したときに、最も教師の中で話したのは俺だと、自負している
教師の中では一番年が近いこともあって、穂翔花たちと一番遊んで、たくさんの時間をともに過ごした
それによって、湖咲梅からも、穂翔花からも、厚い信頼と、大きな好意を寄せてくれていた
だからこそ、二人がどれだけ俺達のことを好きでいてくれてるか、どれだけ尊敬してくれてるか
その中でも、校長をやってる祢湖くんのことを、どれだけ好いて、どれだけ尊敬してるかも知ってた
だから、喧嘩しちゃったっていう事実が、穂翔花にどれだけ影響を与えるかもわかんなかったから
できるだけ支えられたらって思って、たくさんそばにいた
だから、だから…
もし、その時のことを覚えていたら…?
これからも、穂翔花が俺といたいと言うことが増えて、一緒にいることで、思い出してしまったら…?
俺は…
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
(俺はまた苦しめてしまうの…?)
雪橋 癒朧魔
雪橋 癒朧魔
____
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
(もう一度、同じことをしてしまうの?)
雪橋 癒朧魔
雪橋 癒朧魔
__
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
(絶望させてしまうの?)
雪橋 癒朧魔
雪橋 癒朧魔
蕾__
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
(また外出が億劫になって)
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
(また、また…ッ!)
雪橋 癒朧魔
雪橋 癒朧魔
蕾音!!!
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
え?
急に、俺の名前を呼ぶ大きな声が聞こえて、顔を上げると、目の前には、癒朧魔のきれいな黄色の目があった
雪橋 癒朧魔
雪橋 癒朧魔
え?じゃねぇよ、ったく…
癒朧魔の言ってることがよくわからなくて、少し頭の中がパニックになってしまう
雪橋 初兎
雪橋 初兎
蕾音ちゃん、ぼーっとしとったみたいで、癒朧魔ちゃんが何度も呼びかけとんのに、反応しなかったんやで?
俺が戸惑っていることに気づいたのか、癒朧魔の隣りに座っている初兎ちゃんがそう教えてくれた
それに、俺はまだ戸惑いを残したまま「そう、なんだ」と、呟くように言う
黄菜 悠佑
黄菜 悠佑
…全然ご飯進んどらんみたいやけど…
黄菜 悠佑
黄菜 悠佑
今日はもう休むか?
俺達の近くに座っていたあにきが軽く俺の顔を覗き込むようにしながら首を傾げる
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
ぁ…い、いや、大丈夫です。すいません…
そんな彼になんだか申し訳ない感情が出てきて、少し気まずくて
彼から目を逸らしながら答える
黄菜 悠佑
黄菜 悠佑
謝らんでええけど…
黄菜 悠佑
黄菜 悠佑
お前まで無理したら、穂翔花と喧嘩してまうで?
半分冗談、半分事実なんだろうが、言い方というか、なんというかががちっぽくて怖い
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
俺は祢湖さんみたいに無理しないし、穂翔花くんとも、そんな喧嘩するほど仲良くないんで大丈夫ですよ
水戸瀬 穂翔華
水戸瀬 穂翔華
だめだよ!蕾音せんせー、祢ちゃんとおんなじにおいするもん!
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
待って待って待って、あの人は無理し過ぎなだけだから!
俺らの会話を聞いていたのか、突然入ってくる穂翔花に、言い訳をすれば、不満そうな顔をする彼
水戸瀬 穂翔華
水戸瀬 穂翔華
いや、蕾音せんせーは、絶対祢ちゃんとおんなじタイプ
雪橋 蕾音
雪橋 蕾音
えぇ…
案外間違ってないから、思い切った否定もしづらいんだよなぁ
やっぱり、長くいる彼だからこそ、いろんなことがわかるようになってるのかな
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