蕾音視点
少し、思い出してしまったのではないかと、不安にかられる
前、祢湖さんと、穂翔花が喧嘩したときに、最も教師の中で話したのは俺だと、自負している
教師の中では一番年が近いこともあって、穂翔花たちと一番遊んで、たくさんの時間をともに過ごした
それによって、湖咲梅からも、穂翔花からも、厚い信頼と、大きな好意を寄せてくれていた
だからこそ、二人がどれだけ俺達のことを好きでいてくれてるか、どれだけ尊敬してくれてるか
その中でも、校長をやってる祢湖くんのことを、どれだけ好いて、どれだけ尊敬してるかも知ってた
だから、喧嘩しちゃったっていう事実が、穂翔花にどれだけ影響を与えるかもわかんなかったから
できるだけ支えられたらって思って、たくさんそばにいた
だから、だから…
もし、その時のことを覚えていたら…?
これからも、穂翔花が俺といたいと言うことが増えて、一緒にいることで、思い出してしまったら…?
俺は…
急に、俺の名前を呼ぶ大きな声が聞こえて、顔を上げると、目の前には、癒朧魔のきれいな黄色の目があった
癒朧魔の言ってることがよくわからなくて、少し頭の中がパニックになってしまう
俺が戸惑っていることに気づいたのか、癒朧魔の隣りに座っている初兎ちゃんがそう教えてくれた
それに、俺はまだ戸惑いを残したまま「そう、なんだ」と、呟くように言う
俺達の近くに座っていたあにきが軽く俺の顔を覗き込むようにしながら首を傾げる
そんな彼になんだか申し訳ない感情が出てきて、少し気まずくて
彼から目を逸らしながら答える
半分冗談、半分事実なんだろうが、言い方というか、なんというかががちっぽくて怖い
俺らの会話を聞いていたのか、突然入ってくる穂翔花に、言い訳をすれば、不満そうな顔をする彼
案外間違ってないから、思い切った否定もしづらいんだよなぁ
やっぱり、長くいる彼だからこそ、いろんなことがわかるようになってるのかな
次頼んだ

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。