悠佑視点
晩ご飯が食べ終わって、人によっては、お風呂に入りに行っていて
入りに行っていない人は、各々が、各々のいたいところで、好きなことをしている時間
その時間に、テレビゲームをしている穂翔華と、湖咲梅と、れるを後ろから見守るように見ながら、本を読んでいる蕾音が目に入った
先程、ご飯を食べることが好きなはずなのに、手が止まってしまっていた蕾音
そんな彼は、癒朧魔の呼びかけになかなか反応せず、反応したときも、どこか静かだった
それに、やっぱり考え込んている顔をしていた
おおかた、穂翔華に自分がいいと言われたことを驚き、そして、思い出してしまったのではないかと危惧しているんだろうが
そんな彼が、少し心配だった
思い出されたくないと願っている彼にとって、今の何よりの脅威はそれだろう
彼が思い出されてたくないと強く思うのも、気持ちがわかる部分がある
だから、懇願してきた彼に、誰もが否定できなかった
俺も、同じ立場ったら、"同じことをしてしまった"ら、みんなに、そう願ったかもしれない
理解できるし、彼がどれだけ生徒のことを思っていたのかを知っているからこそ、もっと心配なんだ
きっと、彼は、必要以上に、自分を責め
必要以上に、追い込まれている
だから…
静かに本を読んでいた彼に近づいていき、声をかける
近くまで行くと、その本が、彼の勉強に関するものだと知り、こいつも頑張ってんだなぁと、また一つ感心する
俺の声に反応して、ふっと顔をあげ、軽く微笑みながら聞いてくる彼に、説明をする
できるだけ、優しい声で、優しい微笑みで
あくまでも"強制"にならないように
休んでほしいのは、本当にやまやまなんやけどな…w
いつも、自分のことをほったらかしにして、頑張りすぎてしまう彼だから
でも、それが叶うのはきっと遠い未来の話
叶うことが保証されていない、そんな未来
俺が喧嘩のことを持ち出すと、明らかに反応する蕾音
そりゃ急に出されたらびっくりするよな
そう言い、栞を挟んでからパタン、と本を閉じる蕾音
最後に念押しとして、声をかければ「わかってますよ、w」なんて、少し気まずそうな答えが帰ってきた
祢湖には結構反発的やけど、俺やと素直に折れてくれることあるんよな
ま、きっとそれは、似ていると感じているからこその、反抗心何やろうな
自分も無理してるくせに、っていうな
俺の方を一瞬振り返ってお礼をいうれるに、微笑みながらいった
すると、れるも、小さく微笑み返してくれて、またゲームの方へと向き直った
次頼んだ
戻れるならばと宿命は、多分無理((















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!