夜に呑まれて死にそうに、消えそうになる夜がある。
そんなときは、
若井に連絡。
呼ぶ気が失せる日もあるけど、
今日は若井の顔が見たかった。
僕が消えるのと若井が来るのは、どっちが早いか。
それくらい限界だった。
合鍵で入ってきた若井に最後の力を振り絞って
ハグすれば、若井がだっこしてくれる。
この2択問題はいつものこと。
ベッドとソファどっちに居たい?
若井と一緒に寝たい?1人で寝たい?
あったかい飲み物が欲しい?冷たい飲み物が欲しい?
若井のこと好き?嫌い?
これを聞いたら、若井は必要な物を取りに行く。
いつも迷惑かけてばっかでごめんね、
笑いながら温かい紅茶をくれる。
あぁ、そういえばお昼ご飯の写真送ったっけな、
若井とおんなじのが飲みたいな〜、なんて、
同じものを口にすると、なんとなくうれしい。
誰かといっしょなんだなぁ、と思える。
ぎゅ、
ハグをすると、僕の背中に布団をかけてくれた。
若井のぬくもりと、お布団でいつもよりあったかい。
持ってきてもらったマフラーを首に巻き付けて、、
若井にぎゅーする
寒いところを無くすと、寂しさが逃げていく。
独りじゃない。
誰かが暖めてくれる。
それだけですごく安心して、眠くなる。
自分は想像以上に頑張っていて、それを若井が見てくれていること。
若井が居る、ということにどれだけ救われるか。
乗り越えるべき困難には、必ず若井が着いていて、
だから「あぁ大丈夫だな」と、進んでいけるわけで。
それは僕にとって、すごく重要であり、幸せである。
これを当たり前だと言ってしまうのも若井っぽくて。
すごくすごく、貴方の全てが好きだよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!