昼休み、俺たちは4人で中庭のベンチに座って弁当をつついていた
と言っても、みんなの箸はなかなか進まないが
体育祭以降、あなたの下の名前と昼食を別々に取るようになってから数日間ずっとこんな感じだ
避けられるのは嫌だ、かといって無理に話しかけるのは逆効果な気がするけれど、話しかける以外どうすべきなのかは分からない
で、そのまま解決策が思いつかず意気消沈する
この繰り返しだ
突然ガッチさんがそう提案した
ガッチさんは両親が海外にいて一人暮らしなのでたまにこういうふうに俺たちを誘って家でゲームをしたりする
この重苦しい気持ちを紛らわせるためにも、俺はすぐに頷いた
その後はどのゲームをやるとか晩飯に何を食うとか話しながら昼休みは過ぎていった
そして放課後
ガッチさんに招き入れられ、玄関に足を踏み入れた
相変わらずの広い家だ
こんな家にずっと一人で暮らすっていうのはどういう気分なんだろう
出会った頃のガッチさんはいつも退屈そうな顔をしていたから、楽しいものではないのは確かだ
正直、今のガッチさんはあの頃よりずっと楽しそうで、出会えてよかったと思っている
ま、本人には言わねぇけど
すでに準備されているコントローラーを握り、自分家にあるものよりも二回りも大きい画面のテレビの前に腰を下ろした
(※R.E.P.Oがどんな感じでプレイできるのか、作者はゲームを一つも持っていないのでガチで知りません。フィーリングで読んでください)
そんな感じでゲームはわちゃわちゃと進み、この他にも何種類かのゲームをした
そしてみんなで一息着いた頃には日はもうとっくに沈んでいた
時計を見れば21時を回っている
お菓子をつまみながらゲームをしていたせいでこんな時間に腹が減ってきたので、みんなになにか買うことを提案した
のそのそとソファから立ち上がり、自分のスマホと財布だけポケットに突っ込んだ
玄関で全員が靴を履き替えるのを待ち、ガッチさんが戸締りをしたのを確認してコンビニへ歩いていく
昼間はもう汗をかくくらい暑くなってきているが、頬を撫でる夜の風は心地いい温度だ
後ろ向きだった身体を前へ向けた瞬間、曲がり角を走ってきた人にぶつかりそうになった
慌てて立ち止まって謝ったが、その人物は俺のよく知る顔だった
曲がり角とか少女漫画かよ………
そう思いつつ、せっかく訪れた会話のチャンスを掴むべく咄嗟に彼女の手を握った













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!