そこはとある中学校の
3年生の教室。
朝のHRにて
先生が教壇に立ち、生徒たちに声をかけてからプリントを配布する。よくある日常であり、平和な日常であり、今日も退屈な日常である。
ただ今日の配布物が将来を考える進路希望調査なのでほとんどの生徒が浮き足だってザワザワしている。そんな中打算的な人が1人。
無個性——-
教室内に1人しかいない
学年でもたった1人の無個性生徒のあなたの名字あなたの下の名前。
このご時世皆と違うというだけでいじめにあってもおかしくはないが
あなたの下の名前は持ち前の甘いマスクに
幼少期から鍛えた適度に筋肉の付いた体
物腰の柔らかさからいじめとは無縁の男。
あわよくば同じ進路希望を狙う女子生徒を
難なくかわしながら
内心では———
無個性をとるヒーロー科はないだろうし
そもそも痛い思いをするヒーローには興味ないしな〜
でも有名なとこ卒業すればその先の就職、進学は安泰だろうし
"雄英の普通科"かな!
そう。
すでに決まっている
計算高い考えから導きだした
人生安泰モードだが、
この選択があなたの名字 あなたの下の名前の
人生困難モード及び最愛モード突入の選択である。
そうこれは無個性の少年が
一目惚れから始まる物語り—————
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!